香港メディアの東網は、米国の高校入学に必要とされる学力テストSSAT(Secondary School Admission Test)について、試験委員会が9月19日に中国地域で実施された上級試験のすべての成績を取り消すことを明らかにしたと報じた。

記事は、この試験を受験した中国人男子生徒の保護者が、今月20日にSSATの試験委員会からの試験結果取り消し通知を受け取ったことを紹介。通知には「試験のデータを調査、分析した結果、今回の試験の成績を疑う十分な理由を持つに至ったため、取り消しを決定した」と記載されていたことを伝えた。

また、この男子生徒が2400点満点中2100点あまりを獲得したほか、中国地域の学生の点数が軒並み高く、広東省深セン市の教育機関の学生は満点を取ったこと、男子生徒が保護者に対して「ヤマが全部当たった」などと話していたことなど併せて紹介した。そして、中国地域において問題が外部に漏えいしたのではないかとの疑いが出ており、教育関係者が「一部の予備校が受験生に試験問題を暗記させ、試験後に報告させた、さらには問題を消しゴムに書き写させた可能性がある」指摘しているとした。

記事は、SSATの上級試験では米国本土の生徒でも2200点を獲得することが難しいとされていることに加え、昨年10月にアジア地域の試験で問題の漏えいが発生していたことから、今回の状況についても試験委員会が警戒を強めていると説明。調査がすべて終了後、不正の影響がないと見られる一部受験者の成績が改めて認められる可能性があると伝えた。