タンパク同化ステロイド(AAS)は、筋力増強剤として、スポーツ選手のドーピングに使われることもあります。研究グループは、過去のデータを分析し、AASと腱断裂の関連性を分析しました。

◆過去のデータからタンパク同化ステロイドと腱断裂の関連性を分析
研究グループは、35-55歳の男性ボディービルダー142人を対象に、タンパク同化ステロイド(AAS)と腱断裂の関連性を検証しました。長期間AASを乱用していた88人とAASを使用したことのない54人に対し、それぞれの群において、腱断裂の発症歴や損傷状態を調べました。


◆AAS使用者は未使用者に比べて腱断裂を起こしやすい
AAS使用者のうち19人(22%)が、AASの使用歴のない者は3人(6%)が過去も含めて腱損傷歴があることを報告しました。

研究の結果を以下に示します。

AAS使用者とAAS未使用者の初発腱断裂のハザード比は9.0であった(95%信頼区間、2.5-32.3、P<0.001)。数名の男性は、過去に2回以上の腱断裂があったことを報告した。

この結果は、追跡期間の2年間においてAAS使用者はAAS未使用者の9倍腱断裂が起こりやすいという結果を示しています。

メカニズムは明らかになっていませんが、性ホルモン乱用の危険性が改めて示されているのかもしれません。