米国でトランスジェンダー(性別越境者)の人々のニーズを受け止めようという傾向が全国的に強まっている中、カリフォルニア州サンフランシスコの小学校が男女別のトイレの段階的廃止という全米でもあまり例のない取り組みを始めた。
サンフランシスコにあるミラロマ小学校のサム・バス校長は声明で、男女別トイレの廃止は、男女どちらの性にも合致しない生徒が8人いることを認識しての措置だと述べ「生徒全員に安心感を持ってもらいたいだけではなく、全員が一様に平等であることを理解してもらいたいとの狙いもある。生徒たちに貴重な教訓を教える機会だ」と語った。
米国では最近、五輪金メダリストのブルース・ジェンナーさんがケイトリン・ジェンナーさんと改名し、トランスジェンダーであることを公表し話題になった中、全米の学校・大学でトランスジェンダーの生徒の処遇を改善する動きが現れている。多くの学校で性別分けのないトイレが導入されているが、男女別のトイレをなくしたところは少なく、この問題の論争は続いている。
ミズーリ州ヒルズボロでは今週、トランスジェンダーの生徒が女子用のトイレや更衣室を使ったことに抗議して生徒約150人が授業をボイコットする騒ぎがあり、この一件の後、教育委員会の数人の委員が「哲学的見解 の違い」を理由として辞任した。