休日はひたすら眠りたい。とにかく眠りたいという人もいるだろう。確かにそれは必要なことだ。健康的な睡眠時間は7~8時間と言われているが、案外それは難しい。不眠症の人もいるだろうし、忙しすぎるという人もいる。あるいは疲労という現代においては一種のステータスのようなことが原因かもしれない。
だが、多くの研究が睡眠不足をあなどるなかれと伝えている。健康や認知能力に深刻で、長期的な影響を与えることがあるのだ。ここで挙げるのは、睡眠時間が6時間以下(成人の3割がそうだと言われている)のときに起こりうる症状だ。
1. 睡眠不足で遺伝子が変化する
2014年の研究によれば、1週間満足に睡眠を取れないだけで、700以上もの遺伝子の発現に変化が現れるという。それぞれの遺伝子の役割が全て解明されたわけではないが、そのいくつかは代謝とストレス反応の調整に関するものであることが判明している。同研究では、当然ながら睡眠不足による注意力の低下も確認されている。
2. 脳卒中のリスクが上昇
しかも、相当にだ。中年以上の他の脳卒中リスク因子(太り過ぎ、家族の脳卒中の既往歴)を持たない人が、1晩6時間未満の睡眠しかとらない場合、そのリスクは4倍に跳ね上がる。これを調査した研究は、5666人を3年間観察している。ストレスが溜まったり、忙しくなったりしたとき、最初に削るのは睡眠だと言う人が大勢いるが、これまで考えられていた以上に多くの問題を引き起こすので注意が必要だ。
3. 食欲を増進させ、脂肪も蓄積されやすくなる
2012年、あるチームが1996~2011年10月までに発表された体重増と睡眠不足に関する18の研究をレビューした。その結果、睡眠不足が食欲増進ホルモンであるグレリンの増加と、エネルギー代謝や食用抑制に重要な役割を果たすホルモンであるレプチンの減少につながるという証拠を発見した。どちらもお腹を空かせる効果がある。
このことは2012年の他の研究によっても裏付けられている。ここでは標準的体重の男性16人が、睡眠を十分にとらなかった次の日に食事を多く取り分けることが確認された。睡眠不足は、満腹感とは無関係に食事の摂取量を増やすよう仕向けてくる。
4. 健康な選択ができなくなる
デンマークとフィンランドで実施されたある大規模な研究では、35000人の成人を8年以上追跡し、睡眠不足が生活に与える影響を調査した。その結果、規則正しい睡眠をとる人ほど、健康的な選択をする傾向にあることが分かった。
例えば、研究開始当初には喫煙者であっても、規則正しい睡眠をとっていた場合、そうでない人に比べて数年後に禁煙している割合が高かった。同様に、睡眠不足は高リスクなアルコール摂取、運動不足、肥満のリスク上昇とも相関があった。
5. 足りなくても多すぎても記憶力が低下する
だが、同時に寝すぎについても同じことが言える。1986~2000年に女性を対象に睡眠習慣について面接した研究では、最初の面接から6年間に渡って被験者の記憶力と思考力について調査し続けた。睡眠時間が5時間以下の女性は、適正とされる7~8時間の人よりも成績が劣っていた。しかし、それは9時間以上眠る人についても同じだった。研究者は、寝すぎも寝なすぎも実年齢よりも2歳ほど精神を老いさせると結論づけている。
睡眠不足と脳機能を結びつけるメカニズムについては不明な点が多いが、慢性的な睡眠不足は、高血圧、糖尿病、血管の狭窄につながるため、これが脳の血流を低下させることと関連があるのではないかと考えられている。
6. 骨密度の低下
少なくともネズミではそうだ。2012年の研究では、睡眠を阻害されたマウスから、骨塩密度の低下、骨髄の脂肪減少、血小板を産出する巨核球の倍増といった骨粗しょう症の兆候が多く認められた。
7. 不安感が増幅
あまり眠れなかった次の日はイライラする。2012年の研究は、睡眠不足によって、予測反応を司る脳の領域が活性化することを発見した。活性化が適正であれば、将来の出来事を予測するうえで役に立つ。しかし、心配性の人ではそれが過度に働いてしまう。この研究では、18名の若い成人被験者に24時間起きていてもらった。すると、脳の予測反応が大幅に増幅されたが、心配性の人ではその度合いが特に大きかった。
8. 正常な発達を損なう
人間の赤ちゃんはいつも寝ている。それはミバエの子供でもそうだ。そして、少なくともミバエの場合は、そうした睡眠を阻害すると長期的な悪影響が出る。ある研究では、ミバエの遺伝子を改変して、ふ化した後にあまり眠らないようにした。すると、成長した後に脳の特定の部分、とりわけ求愛行動に関する部分が際立って小さいことが判明した。あまり眠らなかった人間の赤ちゃんが同様にデート下手になるのかどうかは明らかではないが、幼児期の睡眠不足が恒久的な脳の発達低下につながることを示唆している。
9. 死亡率が上昇
睡眠不足は寿命まで縮めてしまう。1741名の被験者を追跡調査(男性は12年、女性は10年)した研究では、睡眠時間が6時間未満の男性は死亡率が21%高かった。女性の場合は5%とわずかな上昇だった。この結果は、年齢や人種、さらには睡眠不足を起因として起こりうる喫煙、飲酒、鬱、高BMIといった要素を調整してから得られたものだ。 つまり、睡眠不足は若死にいたる不健康な習慣につながるだけではないということだ。睡眠不足自体が人を殺すのだ。
だが、多くの研究が睡眠不足をあなどるなかれと伝えている。健康や認知能力に深刻で、長期的な影響を与えることがあるのだ。ここで挙げるのは、睡眠時間が6時間以下(成人の3割がそうだと言われている)のときに起こりうる症状だ。
1. 睡眠不足で遺伝子が変化する
2014年の研究によれば、1週間満足に睡眠を取れないだけで、700以上もの遺伝子の発現に変化が現れるという。それぞれの遺伝子の役割が全て解明されたわけではないが、そのいくつかは代謝とストレス反応の調整に関するものであることが判明している。同研究では、当然ながら睡眠不足による注意力の低下も確認されている。
2. 脳卒中のリスクが上昇
しかも、相当にだ。中年以上の他の脳卒中リスク因子(太り過ぎ、家族の脳卒中の既往歴)を持たない人が、1晩6時間未満の睡眠しかとらない場合、そのリスクは4倍に跳ね上がる。これを調査した研究は、5666人を3年間観察している。ストレスが溜まったり、忙しくなったりしたとき、最初に削るのは睡眠だと言う人が大勢いるが、これまで考えられていた以上に多くの問題を引き起こすので注意が必要だ。
3. 食欲を増進させ、脂肪も蓄積されやすくなる
2012年、あるチームが1996~2011年10月までに発表された体重増と睡眠不足に関する18の研究をレビューした。その結果、睡眠不足が食欲増進ホルモンであるグレリンの増加と、エネルギー代謝や食用抑制に重要な役割を果たすホルモンであるレプチンの減少につながるという証拠を発見した。どちらもお腹を空かせる効果がある。
このことは2012年の他の研究によっても裏付けられている。ここでは標準的体重の男性16人が、睡眠を十分にとらなかった次の日に食事を多く取り分けることが確認された。睡眠不足は、満腹感とは無関係に食事の摂取量を増やすよう仕向けてくる。
4. 健康な選択ができなくなる
デンマークとフィンランドで実施されたある大規模な研究では、35000人の成人を8年以上追跡し、睡眠不足が生活に与える影響を調査した。その結果、規則正しい睡眠をとる人ほど、健康的な選択をする傾向にあることが分かった。
例えば、研究開始当初には喫煙者であっても、規則正しい睡眠をとっていた場合、そうでない人に比べて数年後に禁煙している割合が高かった。同様に、睡眠不足は高リスクなアルコール摂取、運動不足、肥満のリスク上昇とも相関があった。
5. 足りなくても多すぎても記憶力が低下する
だが、同時に寝すぎについても同じことが言える。1986~2000年に女性を対象に睡眠習慣について面接した研究では、最初の面接から6年間に渡って被験者の記憶力と思考力について調査し続けた。睡眠時間が5時間以下の女性は、適正とされる7~8時間の人よりも成績が劣っていた。しかし、それは9時間以上眠る人についても同じだった。研究者は、寝すぎも寝なすぎも実年齢よりも2歳ほど精神を老いさせると結論づけている。
睡眠不足と脳機能を結びつけるメカニズムについては不明な点が多いが、慢性的な睡眠不足は、高血圧、糖尿病、血管の狭窄につながるため、これが脳の血流を低下させることと関連があるのではないかと考えられている。
6. 骨密度の低下
少なくともネズミではそうだ。2012年の研究では、睡眠を阻害されたマウスから、骨塩密度の低下、骨髄の脂肪減少、血小板を産出する巨核球の倍増といった骨粗しょう症の兆候が多く認められた。
7. 不安感が増幅
あまり眠れなかった次の日はイライラする。2012年の研究は、睡眠不足によって、予測反応を司る脳の領域が活性化することを発見した。活性化が適正であれば、将来の出来事を予測するうえで役に立つ。しかし、心配性の人ではそれが過度に働いてしまう。この研究では、18名の若い成人被験者に24時間起きていてもらった。すると、脳の予測反応が大幅に増幅されたが、心配性の人ではその度合いが特に大きかった。
8. 正常な発達を損なう
人間の赤ちゃんはいつも寝ている。それはミバエの子供でもそうだ。そして、少なくともミバエの場合は、そうした睡眠を阻害すると長期的な悪影響が出る。ある研究では、ミバエの遺伝子を改変して、ふ化した後にあまり眠らないようにした。すると、成長した後に脳の特定の部分、とりわけ求愛行動に関する部分が際立って小さいことが判明した。あまり眠らなかった人間の赤ちゃんが同様にデート下手になるのかどうかは明らかではないが、幼児期の睡眠不足が恒久的な脳の発達低下につながることを示唆している。
9. 死亡率が上昇
睡眠不足は寿命まで縮めてしまう。1741名の被験者を追跡調査(男性は12年、女性は10年)した研究では、睡眠時間が6時間未満の男性は死亡率が21%高かった。女性の場合は5%とわずかな上昇だった。この結果は、年齢や人種、さらには睡眠不足を起因として起こりうる喫煙、飲酒、鬱、高BMIといった要素を調整してから得られたものだ。 つまり、睡眠不足は若死にいたる不健康な習慣につながるだけではないということだ。睡眠不足自体が人を殺すのだ。