1. 犬は無償の愛ですべてを受け入れてくれる

 人間が知る限り、犬は批判も差別もしない。あなたがちょっと臭かったとしても、隣で寝そべってくれるだろう。最近の研究によれば、犬とたっぷり時間を過ごした老人ホームの入居者は孤独感が低下するそうだ。

 この研究は、孤独感が強いと評価された老人ホームの入居者で、毎週1回30分の犬の訪問サービスに関心があった37人を対象に実施された。その内の半分の被験者には、訪問時に犬を独り占めしてもらった。もう一方の被験者には、犬を老人ホームの他の住人とシェアしてもらった。

 その結果、どちらのグループも犬の訪問後は孤独感が低下すると答えたが、その低下の程度は犬を独り占めしたグループの方が大きかった。つまり、おしゃべりをする友人よりも4つ足の友人の方を好むことがあるということだ。これは、内面を露わにしても、誰からも批判されないからである。


2. 犬が人の行動に変化を促す

 よくわからないいらだちを抱えていた人が、あるとき犬を飼い始める。足元に犬が擦り寄り、撫でて欲しいとせがむ。飼い主が仕方なく膝をついて、犬を撫でると…ペロりと顔を舐められ、飼い主に笑顔が浮かんだ。これは犬による典型的なシナリオだ。犬は呼吸や会話をゆっくりにし、心を穏やかにしてくれる。


3. 犬との気晴らし

 犬はワクワクするような映画や本のようなものだ。私たちをごちゃごちゃした思考の外へ連れ出してくれる。そこで待っているのは、食事と水と愛情と、そして尻尾を振る可愛らしいお尻だけの別の現実だ。できる限りそこに留まればいい。うつで、どうにもお手上げのとき、これが実に有効なセラピーとなる。犬の鼻息が顔に当たる感触がどれほど素晴らしいものか伝えるのは難しい。 


4. 犬との触れ合うだけでストレスが低下

 犬に触れたときの癒しの力は文句無しだ。ある研究によれば、犬を45分間マッサージすることで、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が低下するほか、白血球が増加することで免疫系まで最適化されるそうだ。抱きしめることで、ストレス軽減ホルモンのオキシトシンが体内に放出され、血圧や心拍が低下する。

 さらに、バージニア大学の研究では、犬と握手をすると、脳の感情中枢の一部である視床下部においてストレス関連活動が減少することが分かっている。犬に触れると、脳の特定領域内で脅威のサインに対する反応が止んでしまうのだ。犬セラピーが血圧や心拍を下げ、血中のセロトニンやドーパミン濃度を高めることも不思議ではない。


5. 犬が責任感を植え付ける

 犬を飼うことには大きな責任が伴うが、うつ病の研究によれば、この責任感が心の健康にいいらしい。ある課題を引き受けることや、自分の能力を仕事に役立てることは、自尊心を育む結果につながる。そして、それが成功すると(例えば、犬が次の日も元気に生きているなど)、自分以外にも他の生き物を大切にできるという自己の強化につながる。

 これは、子供に自己管理や独立心を身につけさせるうえで、雑用が非常に大切である理由だ。犬の飼育も生活に規律を作り出す。犬の日々の世話を後回しにしない限りは、昼まで惰眠を貪る、あるいは夜更かしをするということはもはやできなくなる。


6. 犬は血圧を下げる

 4でも述べた血圧の低下に関する研究は以下のような結果もある。犬の飼い主の血圧と心拍数は、ストレスが溜まる精神的作業をする前やその途中でもかなり低い数値を示すことがわかった。ストレスが溜まる精神的作業とは、例えば、家族への干渉や子供の宿題を見るといった作業のことだ。

 血圧は犬を撫でているときにも下がる。とりわけ犬との信頼関係があるときは効果的だ。さらに犬を撫でることにより、免疫系の改善や痛みの軽減にもつながる。これは、ただ犬がそこにいるだけでも見られる現象だそうだ。