人生二度目の選挙が終わりました。この一年間、努力を積み重ねてきたつもりでしたが、まだまだ表舞台に立つには力不足だと判断されたようです。今後はもっともっと政策の学習と研究を深めるとともに、有権者の皆さんに「わかりやすく伝える」活動に力を入れていきたいと思います。

今回の選挙でも多くのことを感じたのでおいおい振り返っていきたいと思いますが、今日は「酒の安売り規制」の話題。自民党は24日の総務会で、酒の安売りを規制するための「酒税法等改正案」を決定。今国会に提出し、成立を目指す方針を確認しました。

報道によると規制案は「公正な取引の基準を財務相が定め、従わない場合は販売免許を取り消すこともできる」というもの。最近はスーパーや酒屋、ネット通販などで安くお酒を買うことができますが、この法律が成立すれば酒の販売価格が上昇する可能性があります。

自民党は「過度な安売りに歯止めをかける」と説明していますが、そもそも「採算を度外視した不当な安売り」、つまりダンピングは独占禁止法で禁止されているはず。独禁法の認める範囲で各店が「価格競争」するのは資本主義社会では当たり前のことです。

経費を抑え、品ぞろえや展示、広告に工夫を凝らして「いいものを安く売る」。その結果、消費者に選ばれた店が生き残り、競争に敗れた店は撤退していく。そうすることで生産性が高まり、撤退した店の従業員は別の業界に移動していく。コンビニでもアパレルでも小売業界に共通するルールです。

それにもかかわらず、なぜ酒だけは安売りを規制するのか。背景には中小の酒販店が加盟する政治団体「全国小売酒販政治連盟」(酒政連)の存在があります。経営の苦しい「町の酒屋さん」が政治力を使って自民党議員に助けを求め、それを受けて規制に乗り出したのが実情なのです。

24日付の朝日新聞によると、酒政連とその地域支部は2013年に自民党の「街の酒屋さんを守る国会議員の会」の会長である衆院議員に20万円、事務局次長の参院議員に10万円を寄付しています。お金をもらった以上、その業界のために汗をかくというのが自民党的政治の常識。そのあおりを受けるのはスーパーや酒販チェーンであり、お酒を買う一般の国民です。

いつまでそんな政治を続けるのか。議員が「献金」を通じて陰でコソコソ特定の業界を支援する「族政治」から、すべての国民のための開かれた「国民政治」に変えていかなければなりません。それにはまず、こうしたおかしな事例を通じて国民が政治に注文を付けていくことが必要です。