深刻なてんかんがあり、他の治療では効き目がなかった人を対象として、医療用マリファナ「カナビジオール」の使用の効果について調査した。

 研究対象として参加したのは、深刻なてんかんのある213人。よちよち歩きの子どもから大人まで幅広い年齢層であるが、平均年齢は11歳。

 12週間にわたり薬を投与して、その期間中に起きたてんかん発作の回数によって、薬の効果を調査した。

てんかん発作の回数が約半分に
 12週間の期間を最後まで行ったのは137人。てんかん発作の回数は、平均で54%減少した。

 発熱で発作が起こることが多い「ドラベ症候群」の人で最後まで研究に参加したのは23人。てんかん発作の回数は53%減少した。特に症状が強い傾向がある「レノックス・ガストー症候群」の人で最後まで研究に参加したのは11人で、短時間筋肉が脱力する「無緊張性てんかん発作」の回数は55%減少した。

 参加者の6%に当たる12人は副作用のため薬の摂取を中止した。副作用には、眠気21%、下痢17%、疲労感17%、食欲減退16%などがあった。

 医療用マリファナのてんかん治療に関する研究はこれまでほとんど行われていないため、この研究結果は非常に有益であるとしながらも、今回は予備的研究であり、薬の有効性を判断するためには、多人数を対象とした臨床試験が必要だと研究グループは述べている。

 日本では法規制があり、医療現場でも大麻は使えないが、海外では応用範囲が広がる方向にあるようだ。