ヤフーが中国から完全に撤退するという。

北京施設を閉鎖し、撤退

ウォールストリートジャーナルは19日、米ヤフーが中国北京の研究開発施設を閉鎖し、中国から完全に撤退すると報じた。

撤退に伴って、ヤフーは200人~300人ほどの従業員を解雇する。従業員には18日に解雇が通知された。

背景には「株主からの圧力」

関係者によると、ヤフー北京拠点の閉鎖は、中国政府の検閲や圧力を受けてのものではないという。

ヤフーは昨年秋以降、国外の拠点を中心に700~900人の人員削減を行っている。

背景には、物言う投資家である米スターボード・バリューから最大5億ドルの経費削減を求められていることがある。ヤフーCEOのマリッサメイヤーは、支出を抑制するように圧力を受けているという。

中国撤退する企業が増加傾向

中国から撤退する企業が増加傾向にある。

インターネット関連業界では、2010年に検閲を巡る中国政府との対立でグーグルが撤退した。2012年には楽天が中国でのネット通販事業からの撤退を決めた。

他業界でも、中国からの撤退は行われている。ジーンズメーカーの「リーバイス」は1993年に中国から撤退した。最近では、化粧品メーカーの米「レブロン」が撤退、英スーパーマーケット大手の「テスコ」は中国市場での業務展開を縮小した。

撤退理由が変化

企業が中国撤退を決める理由として、以前は人権への懸念や検閲問題など論理的なものが多かった。

しかし最近では、業績面で撤退を決める企業が増えているという。中国から撤退した化粧品メーカー米「レブロン」によると、2012年の中国での売上高は全世界の2%と、期待したものではなかったという。

中国での業務展開を縮小した英スーパーマーケット大手の「テスコ」も、中国事業で不振が続いていた。

中国に「足がかり」を残す企業も

しかし、巨大市場である中国から完全撤退はせずに、足がかりを残している企業もある。

英スーパーマーケット大手の「テスコ」は、中国系政府の複合会社と合弁会社を設立した。ジーンズメーカー「リーバイス」も後に中国での生産を再開、グーグルも香港に拠点を移してサービスを継続している。

中国の李克強首相は5日、北京で開かれた全国人民代表会議で、今年の経済成長率の目標を前年より0.5%引き下げた「7%前後」とする方針を表明した。中国の経済成長の鈍化や景気の失速が注目されている。