メジャーリーグのスプリング・トレーニングの取材でフロリダ、アリゾナを転戦中だ。

 個人的に取り組んでいるテーマとして、「選手のピーク年齢は何歳に来るのか?」という質問をジェネラル・マネージャー、監督、選手などにぶつけている。

 ジーターが引退し、チームのコア、核がいなくなったヤンキースは、先発野手が全員30代になりそうな気配だ。中長期的にはどんなチームになっていくのか、心配になってしまうほどである。

 この問題について、マリナーズのジャック・ズーレンシックGMは、基本的な考え方を教えてくれた。

「当然、ピークに個人差があるのはご理解いただけるでしょう。ただし、一般的に言われているのは27歳、28歳のあたりに成績のピークが来る選手が多いということです。20代前半でメジャーリーグデビューした選手であれば、ちょうどフリーエージェントを迎える頃で、チームの顔になりつつあるといった年齢です。

 われわれとしては、時には長い目で見て選手を育成し、我慢強くチャンスを与えていくことが必要になります。昨季から成長した選手が勝利に貢献してくれるようになりました」

 昨季はポストシーズン進出まであと1勝足りなかったマリナーズだが、初めてのオールスター選出、そしてゴールドグラブ賞を受賞した三塁のカイル・シーガーがちょうど27歳。まさに、脂が乗ってきた年齢だ。

 マリナーズは野手8人のうち、6人が20代と予想されている。野球の世界では、これから働き盛りを迎える選手たちだ。

30代の「核」と20代の働き盛り。
 しかし、チームの「核」となると30代の選手になる。マリナーズの場合は、二塁手のロビンソン・カノーと、昨季オリオールズで本塁打王に輝き、今季からマリナーズに加入した右翼手のネルソン・クルーズがともに30代前半。

 リーグを代表する選手ふたりと、これからピークを迎える若手の組み合わせ。今年のマリナーズが、かなり勝ち星を積み重ねそうなのは年齢構成からも見て取れるのだ。

年齢なんか関係ない! そのポジションとは……。
 一方で、「30代後半の方がいい」というポジションもある。

 クローザーをはじめとした、ブルペンだ。

 今年4月に40歳を迎えるレッドソックスの上原浩治は、「今年のチームの雰囲気はいいと思いますよ」と、昨季の最下位からのV字回復を予想させる話をしてくれたが、このチームのブルペンはベテラン揃いだ。

上原     39歳
田澤     28歳
ブレスロウ  34歳
オガンドー  31歳
ムヒカ    30歳

 30代の選手がずらり並んでいる。そして残り2つのスポットを「6人の若手が争っている」(ファレル監督)状態だ。

 田澤によると、ブルペンで待機する投手陣は、お菓子やひまわりの種などが入った「ブルペンバッグ」を用意して食べているのだが、

「ようやくブルペンに後輩が入ってきて、ブルペンバッグの用意をしなくてすむようになりました(笑)」

 と話してくれた。レッドソックスの場合は、特にリリーフ陣にベテランを獲得することが多い。これもまた、経営陣の考え方の表れだろう。

上原「ブルペンはより『経験』が生きるポジション」
 上原も、リリーフは20代よりも30代の方が実力を発揮しやすいという。

「ブルペンは難しい場面での登板が多いですから、20代ではなかなか実力通りのピッチングが出来ない場合もあります。その意味では、15年以上もプロで野球をやっていると、いろいろな修羅場をくぐってきてますから、より『経験』が生きるポジションだとは思います」

 30代後半になってくると、シーズン後半にメンタル面、フィジカル面でベストの状態を保っていくのはなかなか難しくなるというが、経験がそれを十分に補ってくれる。

 今年のメジャーリーグについては、こうした年齢的な要素についても考えていきたいと思っている