アップルが間もなく発売するスマートウオッチ「アップルウオッチ」は数百万台は売れるだろう。アップルの熱心なファンは、どんな製品であってもとにかく行列する。アップルウオッチの値段は349ドル(約4万円)。「わずか」300万台売れるだけで、売り上げは10億ドル(約1170億円)に達する。

だが要点はそこではない。アップルは売り上げのほぼ70%をiPhoneから得ていて、iPadの売り上げは落ち込んでいる。1つの主力製品への依存度を減らすためには新製品が必要だ。

だが同社はアップルウオッチにその役割を期待していない。

同社自ら投資家の期待を抑えようと、決算報告ではアップルウオッチをiPodやApple TVなどと一緒に「その他」に分類した。従ってよほどの売り上げを達成しない限り、アップルウオッチの販売台数について詳しい発表は期待できない。

アップルウオッチが即座にヒットするとアップルが思っていない理由は以下の通り。

350ドルという値段

わずかに利便性が高まるだけという製品に払う金額としては相当高い。アップルウオッチにiPhone以上の機能はほとんどない。ただiPhoneの一部機能が手首の上で使えるというだけだ。

ウェアラブル端末がヒットしないのは、価格に見合うだけの機能がないという理由による。

バッテリー持続時間

バッテリー持続時間は10時間といううわさが本当ならあまりにひどい。それでは仕事をして通勤している間にバッテリー切れになる。

アップルウオッチの機能はあまりに多く、サイズはあまりに小さいので、バッテリー持続時間を延ばすためにできることはあまりなさそうだ。他社のスマートウオッチが機能を絞り込み、残りの機能をスマートフォンに肩代わりさせている理由はここにある。

競合するスマートウオッチはアップルウオッチほど魅力的でないかもしれないが、少なくともバッテリーは1日いっぱいはもつ。

ティム・クック氏が考えるほど美しいと誰もが思うわけではない

昨年秋にアップルウオッチを披露したクック最高経営責任者(CEO)は、そのデザインの美しさを絶賛した。

しかしこの市場には、例えば「Moto 360」など、もっと見かけのいい製品が存在する。アップルウオッチはどう見てもごつごつして重たそうで、アップルのほかの製品に比べると見苦しい。

何か魅力は?

友人をお茶に誘うのに、スケッチを描いて送る必要があるだろうか。ポケットに画面サイズ5インチのスマートフォンが入っているのに、わざわざ小さな画面でダイヤルを使って文字を拡大したり縮小したりする必要が本当にあるのか。デスクワークをしながら心拍を測る必要は?

もちろん個人の好みの問題だが、ほとんどの人は「必要ない」と言うはずだ。

次のバージョンで改善される

iPhoneに払う200ドルは2年分の出費だ。2年たてば交換することは分かっているし、そのコストは携帯電話会社が負担してくれる。

しかしアップルウオッチの場合、350ドル払ってそれを持ち続けなければならない。次の年に洗濯や皿洗いもしてくれるアップルウオッチが登場すれば、また350ドル出費するか、手持ちの製品を持ち続けるしかない。

次のアップルウオッチが出るまで待つという人は少なくないはずだ。