トヨタ自動車の工場で、年功序列の給与体系が見直される。

若手に手厚い賃金へ

日経新聞 の報道によると、トヨタ自動車は工場で働く従業員の給与体系を大幅に見直すという。

具体的には、「年功部分を圧縮」したり「能力重視」の体系に変更し、その圧縮分を原資として若手社員に手当などとして配分し、若手の賃金を引き上げるという。

対象となるのは、「技能員」と呼ばれる18歳から65歳までの社員。

詳しい見直し内容は今後検討されるが、30歳前後から年2回の能力給の査定を行い、役割や能力で支給額を上下させることが考えられている。査定では、工場での作業レベルやチームワークなどが評価されるという。

優秀な若手の確保が狙い

現在、少子化の影響で若手従業員の確保が難しくなっている。

特に、自動車工場は労働の過酷さから、デジタル部品や家電工場よりも従業員を集めにくいという。

家電等の工場での作業は緻密だが比較的長時間の残業にも耐えることができるのに対し、自動車工場の仕事は肉体的に過酷な部分が多く、長時間労働に向かないという。

そのため、残業代を稼ぎやすい家電等の工場に人気が集まり、人材不足に悩んでいる自動車工場も多い。

今回、トヨタ自動車が若手社員の賃金を引き上げを決めた背景には、このような状況を打開して、優秀な若手人材を確保し、競争力を高めるという狙いがあるようだ。

ネット上には賛否両論の声

トヨタ自動車工場での賃金体系の見直しに、ネット上にはさまざまな意見が寄せられている。

これはいい動き。年功序列はもう維持ができないと思うトヨタは超巨大メーカーなのに、こういう所はフレキシブルだなぁさすがトヨタ、わが社も頑張ろう!むしろ工場労働者とかって研究開発とかと違って年功がものをいう職種じゃないのかなあ年功序列が圧縮されれば将来の生活に不安を抱き、若者の「労働流動化、結婚せず」はますます高まる自社社員だけではなく、下請け会社も含めてもう少し利益を還元していかなければ効果はない

トヨタの試みを賞賛する意見が多数みられたが、年功序列から能力主義への変化を不安視する声もあった。

年配社員の賃金はどうなる?

若手社員の賃金が手厚くなるのは喜ばしいことだ。しかし、年配社員の賃金は不安定にならないのだろうか?

2013年、マルハニチロのグループ会社「アクリフーズ」の群馬工場で、契約社員だった男性が冷凍食品に農薬を混入するという事件が起こった。

男性がこのような事件を起こした原因には、アクリフーズが賃金体制を年功序列から評価給制度に変えたことで男性の年収がダウンしたことがあるのでは、と報じられている。

賃金体系を見直す際には、あらゆる世代の従業員との話し合いや説明会などを行って、相互理解を深める必要があるようだ。

ベテラン社員は再雇用

トヨタ自動車は、優秀な人材の確保や若手への技術伝承のために、60歳の定年時に極めて高い能力を持つ人は現役時と同じ処遇で再雇用するという。

能力給にせよ再雇用にせよ、良い待遇で仕事を続けるためには、自分の能力を磨き続けることが必要になるだろう。