12月1日は世界エイズデーだ。中国では同日、多くのメディアがHIV感染などに関連する記事を配信した。中国でこれまで49万7000人がHIVに感染したことが確認され、うち15万4000人が死亡した。しかし専門家によると、HIVに感染しながら、自らは知らない人が40万人程度存在すると見られる。半数以上が自らのHIV感染に気づいていないことになる。 中国政府・国家衛生和和計画生育委員会(衛生と計画出産委員会)の王国強副主任は中国でこれまで49万7000人がHIVに感染したことが確認され、うち15万4000人が死亡した。存命中の人は34万3000人以上ということになる。 一方、北京佑安医院(病院)感染センターの李在村主任医師は中国新聞社の取材に対して、「HIVの感染者とエイズ患者は累計で40万人台だが、実際には40万人程度が自らの状態に気づいていない」と述べた。つまり、中国において、存命中のHIV感染者はエイズ発症者を含めて統計上は34万3000人だが、それより多くの人が自らの感染に気づいていないことになる。 李主任医師によると、中国では現在、HIV感染の拡大を食い止める作業のうち、男性間の性的接触による感染の防止を重点としている。男性同性愛者の場合、複数のパートナーを持つ場合が多いことなどから、感染の危険が高い。男性の同性愛者のHIV感染は、同じようにリスクが高い性的サービスの提供者と比較しても、4倍程度になるという。 李主任医師は、北京市においてもHIV感染者の9割以上が男性同性愛者と説明した。 人民日報によると、省別でHIV感染者が最も多いのは雲南省で、10月末時点の存命感染者数は7万9915人だった。以前は薬物乱用の際の注射器の使い回しで感染する例が多かったが、現在では性的接触による感染が大部分になった。 2014年1-10月における新たな感染確認者は9601人だが、うち89.5%が性的接触による感染だったという。 同省で感染確認者が急増しているわけではないが、学生や高齢者、男性同性愛者、流動人口における感染が増えている点が目立つようになった。 2004年通年における感染確認者のうち、50歳以上の人の割合は4.4%だったが、2014年1-9月には24.9%に上昇。40-49歳では8.3%が23.7%に上昇した。(編集担当:如月隼人) ********** ◆解説◆ WHO(世界保健機関)は1988年、世界レベルでのエイズのまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を目的に、12月1日を「世界エイズデー」と定めた。そのため毎年12月1日を中心に、世界各国でエイズに関する啓発活動が活発になる。 2014年の「世界エイズデー」のテーマは「AIDS IS NOT OVER ~まだ終わっていない~」。「治療法の進歩によりHIV感染者が長く生きることが期待できるようになった」の認識にもとづき、「職場や学校、医療機関など生活の様々な場所でHIV/エイズに対する差別・偏見の解消等を図り、HIV陽性者が社会で安心して生活できるよう、環境を整えることが一層重要」などを趣旨にした。