来年1月からは「アナ雪」のイベントがスタート (c)Disney
開業30周年だった2013年度に年間入園者数過去最高を記録した東京ディズニーリゾート(TDR)。今年度はその反動減も懸念されたが、9月までの半年間は前年同期比1.7%減にとどまり、強力な集客力を見せつけている。

この優良テーマパークを運営するオリエンタルランドは10月30日、ビッグプロジェクトの詳細を公表した。今後10年間行う5000億円投資の内容だ。投資は、大きく3つのカテゴリに分けられる。東京ディズニーランド(TDL)の刷新・拡張や、東京ディズニーシー(TDS)の新エリア開発、そのほか新規のアトラクションやショー、レストラン、ショップに2500億円、既存施設のメンテナンスなど更新改良に1500億円、そのほかバックステージなど運営基盤強化に1000億円を充てる計画だ。

ファンタジーランドは2倍の広さに

注目は、TDLのエリア再開発と、TDSの新エリア開発だ。TDLではファンタジーランドを再開発する。ファンタジーランドは、シンデレラ城の背後に広がる、開業当初からある最奥のエリア。TDLの7つあるエリアの中でも、入園客の集中度の高い人気エリアだ。

再開発の範囲は、現在のファンタジーランドの全域に、隣接するトゥモローランドとバックステージの一部を含めた部分。開発後は従来のファンタジーランドの2倍の広さになる。

同エリアには、「ピーターパン」や「白雪姫」、「不思議の国のアリス」、「プーさん」など、ディズニー作品をベースにしたアトラクションがそろう。ここに大ヒット映画「アナと雪の女王」関連の施設が新設されるのでは、という憶測も出ているが、会社側は現時点で何も確定していない

TDSでは、拡張用地を利用し、8つ目となる新エリアをオープンする。用地は古代遺跡やジャングルをテーマにした、ロストリバーデルタの南隣、現在は緑地となっている場所だ。TDSで平均的な広さのエリアで、4つのアトラクションを擁するアラビアンコーストとほぼ同規模のエリアになるという。

この2大開発がお目見えするのは、現行の中期経営計画の終了後、2017年度から2023年度にかけて。具体的な内容については順次発表するという。オリエンタルランドはTDRの価値を高め、2023年度までに入園者数を安定的に3000万人とする目標を立てているが、この大規模開発がそのキーになるようだ。

シンデレラ城のナイトショーが人気

目下のところ、TDRは絶好調だ。2013年、開業30周年の記念イベントで、年間入園者数3129万人と過去最高を記録。今年度はその反動減があることが懸念されたが、シンデレラ城のナイトショー「ワンス・アポン・ア・タイム」などが人気を集め、9月までの半年間で1510万人(前年同期比1.7%減)と、記念イベントがない中でも変わらない集客力を維持している。

10月以降もハロウィーンやクリスマスなど鉄板イベントが続き、比較的客数の少ない1月からは、「アナ雪」の新規イベントもスタートする。入園者数は着実に推移しそうだ。9月までの好調な状況から、会社は10月23日に年間入園客数の想定を2800万人から3040万人へと引き上げており、今期も10年後の目標にしている3000万人の集客力を維持できる見込みだ。

今回のビッグプロジェクト発表を受け、10月31日のオリエンタルランドの株価は年初来高値を更新した。「(開発が完了すれば)用地も広がり、3500万人はいける」(証券アナリスト)との声がさっそく聞かれる。目標とする3000万人どころか、もう一段の集客力を手にしそうだ。