岩手県議会と県内33市町村議会のうち31で、「議事を妨げないため」などの理由で本会議や委員会の撮影と録音が議長の許可制になっている。地方自治法に基づいて各議会が戦後定めた「傍聴規則」をそのまま残しているケースが多いとみられるが、県町村議長会事務局も「撮影と録音が議事を妨げたというケースは聞いたことがない」と話す。「開かれた議会」が時代の潮流の中で閉ざすような規則に、「岩手は遅れている」との声もある。

 県内自治体の議会で撮影と録音に許可が要らないのは久慈市議会と紫波町議会だけ。「傍聴者の行動を縛るような規則はなるべく設けるべきではない」(久慈市議会事務局)との考えだ。そもそも地方自治法は議会を原則「公開」とし、撮影と録音には何ら規定がない。ただ「傍聴規則」を定めるよう地方議会に求めているだけだ。

 花巻市議会は9月中旬、録音について「許可制なので申請手続きを定めたい」と報道機関に申し入れた。6月定例市議会の本会議で許可無くICレコーダーを使った例があり、議会事務局は「改めて事前申請を徹底することにした。申請は議会運営委員会で諮り、却下もある」と話す。

 地方議会に詳しい山梨学院大の江藤俊昭教授(地方自治法)は「古い傍聴規則を残し、時代に合わせた改正を怠っている」と指摘。「議事の妨害防止というより、生のやり取りを残されたくないのではないか。インターネット中継する現代で規制は無意味で時代遅れ」と言う。花巻もネット中継しており、ある市議は「議会は公のもの。撮影や録音を拒む理由も必要もない」と話す。

 北海道福島町議会は2000年ごろから「撮影・録音の禁止」など規則を次々撤廃し、傍聴者に議員と同じ資料の配布も始めた。09年4月には傍聴規則を「町議会への参画を奨励する規則」に改正。「議会は町民参加の大事な場として参画者を積極的に受け入れなければならない」との文言も盛り込み、傍聴者の発言機会も保障した。議会事務局は「議会が民主主義の基盤になるため」と説く。

 撮影と録音は、衆参両院も原則自由のほか、北海道栗山町や三重県など多くの議会で規制を外す動きが広がっている。

 福祉課題について花巻市議会6月定例会の本会議を傍聴した障害者支援NPO「たんぽぽクラブ」の牛崎恵理子理事長は「開かれているのが議会のあるべき姿。傍聴者を制限する規則はない方がいい」。江藤教授は「議会の透明化や市民の政治参画が叫ばれる今、議会を閉じようとするかのような姿勢は時代に逆行している」と警鐘を鳴らしている。

確か、名古屋市議会も録画・録音は、新聞記者等の1部の人だけ許可されていいとなってると思います。