ゴルフ人気が低迷している。人気の低迷は各社の業績にも影響し、第2四半期(4~6月期)決算では厳しい数字が並んだ。
独アディダス傘下のゴルフ用品ブランド「テーラーメイド」は、4~6月期売上高が20%近く減少。ゴルフ部門の不振はアディダス本体にも響き、同社は2014年通期の純利益予想を下方修正した。
さらに、米キャロウェイゴルフの4~6月期の売上高は7%の減少だったほか、米ナイキのゴルフ部門も低迷している。ナイキの場合、去年は他の全ての部門の売上高が増大する一方、ゴルフ部門だけは売り上げが停滞した。
このようなゴルフ人気低迷の理由として考えられるのは主に3点。タイガー・ウッズに代わるスターの不在、時流への乗り遅れ、ゴルフ用品店のオンライン販売への切り替えの鈍さが挙げられるだろう。
やはり大きいのは、タイガー・ウッズの人気が衰退して以来、その穴を埋めるスターが現われないことだ。米国PGAツアーのテレビ視聴率も今年、大幅に落ち込んでいる。ロンドンを本拠とするスポーツ・マーケティング代理店ブランドラポート社の取締役、ナイジェル・キュリー氏は「ゴルフ界にはもっと広い層に訴えかける選手が必要だ」と述べる。
こうした苦境の中、ゴルフファンが希望を託しているのが北アイルランドの新星ローリー・マキロイだが、かつてのタイガー・ウッズが持っていたスター性にはまだ及ばないようだ。
ゴルフというスポーツ自体、時代の潮流から取り残されている面もある。
金融危機が始まる前、ゴルフはビジネス人脈を作る手段として欠かせなかった。だが、景気後退後、「リンクトイン」のようなビジネス向け交流サイト(SNS)が普及する中、ゴルフを通じた人脈作りは若い世代から古臭いと思われるようになった。ゴルフはもっぱら旧世代の白人男性のためのスポーツだという印象が、拭いがたく定着してしまったのである。
実際、ゴルフの聖地とも称される英国セントアンドルーズにある伝統のゴルフクラブ「ザ・ロイヤル・アンド・エンシャント・ゴルフクラブ」が女性会員を認めたのは、今月になってからだ。
問題の一端は、インターネット上での販売に対応し切れていないゴルフ用品店にもある。こう語るのはロンドンにあるスポーツ広告代理店シナジー社の最高経営責任者(CEO)、ティム・クロウ氏だ。
顧客がオンラインに流出する中、既存のゴルフ用品点は苦戦を強いられている。米大手スポーツ用品小売チェーン・ディックスポーツ(DKS)は7月、ゴルフ部門で400人の人員削減を行った。近年のゴルフ用品店には高額なスポーツウエアが並ぶばかりで、肝心の客足は途絶えてしまっているのが現状だ。
クロウ氏は「今のシステムはいくらなんでも過剰だ」と述べ、需要に見合った規模に落ち着くためにはゴルフ業界全体が15~20%縮小する必要があるとの厳しい予想を示した。
独アディダス傘下のゴルフ用品ブランド「テーラーメイド」は、4~6月期売上高が20%近く減少。ゴルフ部門の不振はアディダス本体にも響き、同社は2014年通期の純利益予想を下方修正した。
さらに、米キャロウェイゴルフの4~6月期の売上高は7%の減少だったほか、米ナイキのゴルフ部門も低迷している。ナイキの場合、去年は他の全ての部門の売上高が増大する一方、ゴルフ部門だけは売り上げが停滞した。
このようなゴルフ人気低迷の理由として考えられるのは主に3点。タイガー・ウッズに代わるスターの不在、時流への乗り遅れ、ゴルフ用品店のオンライン販売への切り替えの鈍さが挙げられるだろう。
やはり大きいのは、タイガー・ウッズの人気が衰退して以来、その穴を埋めるスターが現われないことだ。米国PGAツアーのテレビ視聴率も今年、大幅に落ち込んでいる。ロンドンを本拠とするスポーツ・マーケティング代理店ブランドラポート社の取締役、ナイジェル・キュリー氏は「ゴルフ界にはもっと広い層に訴えかける選手が必要だ」と述べる。
こうした苦境の中、ゴルフファンが希望を託しているのが北アイルランドの新星ローリー・マキロイだが、かつてのタイガー・ウッズが持っていたスター性にはまだ及ばないようだ。
ゴルフというスポーツ自体、時代の潮流から取り残されている面もある。
金融危機が始まる前、ゴルフはビジネス人脈を作る手段として欠かせなかった。だが、景気後退後、「リンクトイン」のようなビジネス向け交流サイト(SNS)が普及する中、ゴルフを通じた人脈作りは若い世代から古臭いと思われるようになった。ゴルフはもっぱら旧世代の白人男性のためのスポーツだという印象が、拭いがたく定着してしまったのである。
実際、ゴルフの聖地とも称される英国セントアンドルーズにある伝統のゴルフクラブ「ザ・ロイヤル・アンド・エンシャント・ゴルフクラブ」が女性会員を認めたのは、今月になってからだ。
問題の一端は、インターネット上での販売に対応し切れていないゴルフ用品店にもある。こう語るのはロンドンにあるスポーツ広告代理店シナジー社の最高経営責任者(CEO)、ティム・クロウ氏だ。
顧客がオンラインに流出する中、既存のゴルフ用品点は苦戦を強いられている。米大手スポーツ用品小売チェーン・ディックスポーツ(DKS)は7月、ゴルフ部門で400人の人員削減を行った。近年のゴルフ用品店には高額なスポーツウエアが並ぶばかりで、肝心の客足は途絶えてしまっているのが現状だ。
クロウ氏は「今のシステムはいくらなんでも過剰だ」と述べ、需要に見合った規模に落ち着くためにはゴルフ業界全体が15~20%縮小する必要があるとの厳しい予想を示した。

