子どもを持つ人のほとんどが、赤ちゃんの夜泣きで夜中に何回も起こされたことがあるだろう。授乳にオムツ変えなど、その度に睡眠が中断され、疲労困憊になる。

そうした細切れの睡眠は、睡眠をまったくとっていないのと同じくらい、心身にダメージを与えることが、テルアビブ大学の研究でわかった。

認知機能や注意力が低下
多くの親が体験済み、あるいは現在進行形の人もいると思うが、睡眠が中断されることで認知機能や注意力が低下したり、不機嫌になったりすることが増えるのだという。

テルアビブ大学で学生ボランティアを対象に行った実験では、8時間の睡眠中に電話で4回起こされ、その度にコンピューターで10-15分の作業を行ってもらった。

さらに起床してからもコンピューター作業を行ってもらい、そうした作業結果と気分を分析した。その結果、睡眠不足により注意力が低下し、さらに怒りっぽくなるなどネガティブな心理状態を引き起こしていることが確認された。

呼び出しを受ける職業の人にも
何を今さら、と思う人もいると思うが、この研究の目的は細切れの睡眠が引き越すダメージを明らかにすることで、科学者や現場の医師にそうした人の負担を認識してもらうことが狙い。

研究者によると、こうしたダメージは育児中の人以外にも、医者など夜中に緊急呼び出しを受けることがある職業の人や、そのほかの要因で睡眠中に頻繁に起きることが多い人にも言えるという。