韓国最大の財閥、サムスングループが大きく揺らいでいる。屋台骨を支えるサムスン電子は、スマートフォンの販売不振で3四半期連続の減益予想が出ているほか、グループ企業でもリストラや再編の嵐が吹き荒れる。そんななか、グループ総帥の李健煕(イ・ゴンヒ)会長(72)が病に倒れ後継問題も浮上、“帝国”が瓦解(がかい)するようなことがあれば、韓国経済全体への衝撃も計りしれない。

サムスン電子の業績は昨年10~12月期、今年1~3月期と続けて営業減益に見舞われたが、4~6月期(第2四半期)についても悲観的な予測が広がっている。

韓国の証券会社の多くが営業利益の予想を引き下げ、3四半期連続の前年割れになると予想しているのだ。 複数の韓国メディアの報道によると、サムスン系列のサムスン証券も、営業利益予想を当初の9兆4000億ウォン(約9400億円)から7兆9000億ウォン(約7900億円)に下方修正した。昨年4~6月期の営業利益9兆5000億ウォン(約9500億円)から約17%の大幅減益に相当する水準だ。売上高も9年ぶりに前年同期を下回るとの予想が出ている。

こうした予想を受けてサムスン電子の株価も6月初めの水準から約1割急落する場面があった。 業績悪化の最大の要因とみられているのがスマホだ。2010年に「ギャラクシーS」シリーズの発売を開始して以来、同社の業績は急成長し、スマホが利益の75%を占めるまでになっていた。

この稼ぎ頭に異変が起こっている。韓国のネットメディア、アジア経済は、今年4月に発売された同社の最上位機種「ギャラクシーS5」について「販売が期待に満たない」とした。同社のスマホ全体の販売台数は1~3月期の8950万台から7700万台まで減少、シェアも34%から30%にまで下落するという。サムスン証券では、ギャラクシーS5の販売は事前の予想通りとしつつ、業績悪化の原因は「中低価格機種のシェアを中国に奪われ始めた」と指摘している。

秋には、ギャラクシーと競合する米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の新機種発売が見込まれるほか、低価格機種では中国企業が勢いを伸ばし、サムスンの立場はますます厳しくなる。為替のウォン高が対ドルや対円で加速していることも懸念材料だ。

 一方、グループ企業ではリストラが相次いでいる。韓国最大の生保であるサムスン生命は今年4月、従業員の15%にあたる1000人を削減する計画を打ち出した。サムスン証券も人員を削減したほか、サムスン重工業も希望退職者の募集を実施している状況だ。