何年も前からうわさに上っていたアップル製のスマートウオッチは、この秋ついに発売されるとの見通しが強まっている。
待望のスマートウオッチの名前は「iWatch(アイウオッチ)」か。米紙ウォールストリート・ジャーナルとロイター通信によれば、登場の時期は今年10月が濃厚。アップルの幹部らもそろって「今年中に新製品が出る」と明言している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ウオッチは複数のサイズが用意され、健康状態などを把握する10のセンサーを搭載する。一方ロイター通信は、「2.5インチでわずかに縦長」の形になると予想。どちらも「事情通の話」として報じた。
製品に期待したい性能や特長を挙げてみた。
本当にスマートに
アップル製スマートウオッチに期待する第一のポイントは、「本当にスマートな(賢い)機器」であることだ。
スマートウオッチと名の付く製品はすでに韓国のサムスン電子やLG電子、日本のソニーなどから出ているが、実体はスマートフォン用の周辺機器に近い。

ブルートゥースなどの無線通信により、スマートフォンをポケットから取り出す代わりにウオッチで通知などが受けられる。
アップルがこれと同様の路線でヒット商品を生み出す可能性もあるが、アプリ開発業者との協力で「スマートフォンのいらない初のスマートウオッチ」を実現させてほしいものだ。
無線充電
第二に挙げたいのは無線充電。家族のスマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーで込み合ったコンセントに、もうひとつ機器をつなぐのは避けたい。
すでに開発されている無線充電パッド、あるいはアップル独自のスマートウオッチ専用機器によって、「枕元に置いて寝れば翌朝充電ができている」という環境が実現すれば最高だ。
バッテリーの持続時間
これに関連して、第三のポイントはバッテリーの持続時間だ。

スマートフォンと同じペースで充電が必要だとしたら不評を買うだろう。
スマートウオッチは今のところ便利なおまけといった位置付けで、不可欠の通信機器というわけではない。面倒が便利さを上回るようでは、すぐにそっぽを向かれてしまう。
既存のスマートウオッチは平均2~3日はバッテリーが持つ。一般的に高機能になるほど、持続時間は短くなる傾向がある。
アップルが高機能のデバイスを発売しようとしていることは確実だが、小さなスペースに強力な電池をなんとか組み込んで持続時間を長くすれば、いいセールスポイントになりそうだ。
接続性
第四は、ほかの機器との接続性。ウオッチをタップするだけでiPod(アイポッド)やiPhone(アイフォーン)で音楽を流したり、アップル製テレビのチャンネルを変えたりすることができれば便利だろう。

さらに少し先のことになるだろうが、スマートウオッチで自宅のガレージを開けたり照明を消したり、ドアに鍵をかけたりできる日が来るかもしれない。
近い将来、アップル製品以外にもグーグルのアンドロイド、マイクロソフトのウィンドウズといったシステムにつながるようになればなおうれしいが、これにはあまり期待しないでおく。
手頃な価格
第五のポイントは、手頃な価格。アップルはこれまで、丁寧につくった商品にロゴを入れ、高価格で売るという戦略で成功を収めてきた。
だがウオッチは事情が違うのではないか。すでにもうひとつアップル製品を持っていなければ使えない可能性もある。
「必要ではないがほしい」という顧客を引き留めるためにも、手頃なアイフォーン用付属品としての価格設定を期待したい。
もっとも、iPad(アイパッド)も最初は「必要ではない」と考えられていた。それが今では、発売以来の販売台数が2億台を超えるヒット商品になっている。