3グラムのサプリを1日1個
これまでの研究で、大気汚染の原因の微粒子物質を吸うと血管内皮機能不全(血管の内側の組織がうまく働かない状態)になり、それがゆくゆくは動脈硬化を起こすとされている。

米国の生物学者らが大人42人を3つのグループに分けて行った実験では、1つのグループにはオリーブオイルのサプリメント(3グラム)を1日1個、別のグループには魚油のサプリメントを1日1個4週間にわたって摂取してもらい、残りのグループはサプリメントをまったく摂取しなかった。

その後42人は全員、除菌された空気を2時間吸い、翌日は微粒子状物質を含む空気にさらされた。

血栓をとかすタンパク質が増加
研究チームがこの前後に血管内皮機能をモニターしたところ、オリーブオイルのサプリメントを摂取した人では、微粒子物質を含む空気にさらされた後に、血栓をとかす特殊なタンパク質が増えることがわかった。

つまり、オリーブオイルのサプリが動脈硬化を防ごうとする働きをしていると考えられる。魚油を摂取した人には、こうした作用はみられなかったという。

研究チームの1人、Haiyan Tong氏は「今回の結果が別の研究でも証明されれば、オリーブオイルのサプリが大気汚染から血管を守る有効な手段となるのでは」と話している。