スコットランドに住むマリアさんは13歳。心室頻拍を患っていて、心拍数が2倍以上に上がり、身動きも話もできない激烈な胸痛に襲われることがしばしばある。心配なのは夜間、部屋に一人でいるときに発作が起こった時だが、この家の3歳になる飼い猫、ペルラはマリアさんの状態をいち早く察知し、別室で休む母親のアデルさんの部屋に飛んでいくと、彼女が目覚めるまで足の指を噛むのだという。飛び起きて救急車を呼び、事なきを得たことがこれまで数回あるそうだ。

生後8週間でもらわれてきたペルラは、今ではマリアさんと片時も離れず、寝る時も同じベッド。だがそのペルラがこの夏交通事故に遭い、生死の境をさまよったという。

すぐさま動物救急病院に運びこまれ、手術が行われた。頭部に負った複数の重傷を治療した医師は、ペルラがたちまち病院スタッフをとりこにしてしまったと語る。「こんなに賢い猫にはそうそうお目にかかれない。マリアの元に無事戻せて本当に良かった」とも。

マリアさんは、心臓の手術を受けることが決まっている。心配は尽きないが、家族はペルラの手術が成功した夜に、その奇跡がマリアにも起こると確信したという。「ペルラは幸運な猫。家族になれて私たちも幸運です」とアデルさんは語っている。