ウクライナとの緊張状態が続いているロシアで、2014年4月22日、テロ対策強化法と呼ばれる法案がロシア下院を通過しました。テロ対策強化法には、「多くのアクセスがあるブログはテレビや新聞と同じ『マスメディア』に相当し、他メディアと同様に規制が課せられる」という項が含まれており、その規制内容がロシア国内で波紋を呼んでいます。

ロシア下院を通過したテロ対策強化法には「1日に3000人の訪問者がいるブログはマスメディアに該当し、相応の規制が課せられる」と記載されています。ブログ規制の詳細は「政府の特別リストにブログを登録すること」「ブロガーの氏名・イニシャルおよびメールアドレスを公開すること」などで、1日3000人以上がアクセスするブログの所有者はマスメディアに適用されているのと同等の規制に従う必要があるというわけです。

マスメディアと同等の規制が課せられると、ブロガーは記事を公開する前に情報の真偽を確認し、さらには、記事公開における年齢制限を読者にきっちりと伝えなければいけません。ニュースサイトのITAR-TASSによれば、ブロガー自身の意見を反映した記事の公開が困難になり、ブロガーの権利が奪われてしまうとのこと。

ロシアでは2012年にインターネットの規制を強化する法案が発効され、テロ対策強化法も可決されればインターネットの規制はさらに強くなる見込みです。先日もロシア最大のSNS「VK」のCEOであるパヴェル・デュロフ氏が、ロシアの法執行機関にユーザーデータを譲渡することを拒んだことが理由で解雇される、ということがありました。デュロフ氏はVKアカウントで「VKはプーチン大統領に非常に近い新興財閥の支配下に置かれた」と発言しています。

ブログ規制に対し多くの人権団体が批判する声をあげていて、国際人権団体の1つである「Human Rights Watch」はテロ対策強化法が下院を通過したことを「表現の自由を容赦なく弾圧する画期的な出来事」と評して批判を展開。

ロシアの公立大学「Russian Presidential Academy of National Economy and Public Administration」の法学部国際法律科のメディナ・カセノヴァ助教授は「マスメディアと同等の規制をブログに課するのは間違いです。もし、1つの法律がインターネットという多様な文化に適用されてしまうと、その法律は機能しなくなるか、もしくは、誰かが利益を得るときにしか効力を発しないでしょう」と発言しています。