PM2.5の濃度が上昇する3~5月にかけては、花粉対策と合わせて空気清浄機を利用するご家庭も多いだろう。シャープが2014年4月3日に発表した調査によると、同社が空気清浄機などに導入するプラズマクラスター技術が、PM2.5に含まれる有機化学物質の除去に一定の効果があることが明らかとなった。

PM2.5に含有の有機化学物質を9割以上除去

プラズマクラスターとは、プラスとマイナスのイオンを同時に空中へ放出し、その化学反応で細菌やカビ、ウイルス、アレルゲンなどの表面にあるたんぱく質を分解してその動きを抑制する空気浄化技術だ。

同調査では、PM2.5に含まれる酸性雨の原因物質・芳香族カルボン酸(安息香酸)と自動車などの排ガスに含まれるアルカン(ヘキサデカン)の除去効果について検証。

約7畳の空間に2つの有機化学物質を625μgずつ設置し、一定時間プラズマクラスターイオンを照射したところ、自然放置と比較して芳香族カルボン酸は8時間後に約98%、アルカンは24時間後に約99%除去されることが明らかになった。

細菌やカビに汚染された黄砂も飛来

さらにPM2.5の飛来とともに、最近問題となっているのが黄砂だ。黄砂は古くからある自然現象で、中国内陸部やモンゴルを発生源とする砂塵が偏西風により日本に運ばれて来るものを言う。これが近年、細菌やカビなどの微生物や大気汚染で発生したPM2.5などが付着した黄砂が飛来するようになり、アレルギー疾患や呼吸器疾患など健康への悪影響が危惧されている。

そのため同調査では、黄砂に付着する細菌のうち、食中毒の原因となるバチルス・セレウス菌とアレルギーを引き起こすカビの一種・ビルカンデラ菌の抑制効果について検証を実施。

約6畳の空間に菌を塗布したガーゼ布を吊るしてプラズマクラスターイオンを発生させたところ、送風のみと比較してセレウス菌は約6時間後、ビルカンデラ菌は約8時間後に99%以上抑制されることが実証された。