近年発見されたイリシンというホルモンは、筋肉に作用して、新陳代謝を良くするホルモンだ。新陳代謝が良くなれば、もちろん、健康にもいい効果をもたらす。

ところで、唐突だが、人間の遺伝子の中にはテロメアと呼ばれる部分があり、この部分が長いほど老化しにくいという説があるのをご存じだろうか? つまり、遺伝子のテロメアが長いほど健康で居続けられる、と言えるわけだ。英国アストン大学の研究者たちは、健康にいいこの2つ(イリシンとテロメアの長さ)に関係あり、と睨んで調査を行ない、結果をアメリカ老年学会(American Aging Association)の機関誌で発表した。

研究者たちがどうしてイリシンとテロメアの長さに注目したかは、よくわからない。だが、彼らはとにかく81人の健康的な老若男女を集め、採血した。そして、含まれているイリシンの量を測定し、同時に血中の細胞の遺伝子を調べ、テロメア部分の長さを測った。それらの数値をグラフにして眺めてみると、2つに関連があることがわかったとのこと。どんな関連? イリシンの量が多い人ほど、テロメアが長かったのだ。

なぜそうなるかまでは、この調査ではわかっていない。だが、体内にイリシンを増やせば、テロメアが長くなり、老化が防げると考えるのは自然だ。イリシンを増やす方法なら、あちこちで発表されている。それは運動。活動する筋肉細胞がイリシンを作るからだ。筋トレなんかがいいらしい。

うーん、筋肉トレ……やはり労せずして益なし、ということか。