幸か不幸か小さな子どもの脳をMRIで覗く機会はそうあるものではないが、脳の中を見れば、近い将来その子が優秀になるかどうかわかるという。
脳内の構造的な変化と機能的な変化は、その子の作業記憶のキャパシティーまたは、短い時間で記憶する能力と関係しているという。過去の研究でこの作業記憶の許容量によって、将来その子が数学や読書でどれだけデキるか予測可能と判明した。
スウェーデンのカロリンスカ研究所、Henrik Ullman氏が行った最新の調査は、計62人の6歳~20歳の人を対象にしたもの。被験者には作業記憶と論理思考テストを受けた後、MRIスキャンに入ってもらい、作業記憶タスクを行っている際の脳の構造と、脳活動の変化を観察した。更に2年後同じ実験を繰り返したという。
その結果、MRIスキャンは従来の認識力テストでは予測不可能とされてきた、2年後の子どもたちの作業記憶パフォーマンスを予測できると判明。作業記憶には前頭葉の活動が関係しているが、今回同氏らは脳幹神経節と視床の活動を見れば、2年後その子が作業記憶のテストで良い点を取れるかどうか予測可能であることを発見した。

