米ニューヨークタイムズ紙がNASAの元宇宙飛行士の証言を交えて伝え、波紋を広げている。

私たちの体は60%が水分で、宇宙空間では体液が胸や頭など体の上に向かって流れるため、足は衰え、顔はむくみ、頭蓋内圧は上昇する。「頭なんて実際パンパンだよ」と語るのは、NASAの元宇宙飛行士Mark E. Kelly氏で、彼は過去4回スペースシャトルのミッションに参加し、宇宙へと旅立った経験を持つ。なんでも2,3分逆さ吊りにされたような感じだとか。

人間の体は宇宙に対応するように進化したわけではないので、その治療や対策も決め手に欠ける。NASAでは、宇宙空間にさらされた人体に長期的な影響があるのか目下調査中だという。今更⁈の感は否めないが、骨の脆さや、食事や睡眠不足の影響などを含め調査が進められている。

5年前には“宇宙では眼球が押しつぶされる”との事実も発覚した。2009年、国際宇宙ステーションに24時間滞在した、Michael R. Barratt氏とRobert B. Thirsk氏は共に医学博士で、互いに視力検査を行ったところ、間近で物を見る際に障害が生じることがわかった。この症状は他の宇宙飛行士からも報告されているが、原因など多くが謎のままである。

NASAでは2024年まで国際宇宙ステーションでの任務を続けるとしており、目的の一つは更に医学的な調査を進めるためである。来年の春から1年間、国際宇宙ステーションでの任務が決まっているアメリカ人宇宙飛行士、Scott J. Kelly氏の健康状態については細心の注意を払い見守っていくつもりだという。ちなみにこれまで最も長く宇宙に滞在した人は、1994年から翌年にかけ、計438日を過ごしたロシアのValery Polyakov博士である。

健康に悪影響を及ぼす最大の原因はやはり放射線。2030年代までに宇宙飛行士を火星に送りたいとしているNASAだが、ミッションは2年半を予定しており、現在の宇宙での標準的なミッションの約6倍に及ぶ。近々に予定されている民間の火星旅行には、そんな危険を承知の上で応募が殺到しているが、余計なお世話かもしれないが、今一度考え直した方が良いのではないか⁈



" target="_blank">