アメリカ国立衛生研究所はこのほどアフリカ系の人を対象にした調査を行い、1人親で育った人は、両親で育てられた人より大人になってから高血圧になる可能性が高いとの結果がまとまった。

調査は、ワシントンD.C.にあるハワード大学で515人のアフリカ系の男性を対象に行われた。その結果、両親に育てられたグループの方が1人親で育ったグループより血圧は低かった。最も血圧データがよかったのは12歳まで両親に育てられたグループで、12歳まで1人親で育った人より高血圧罹患率は46%も低かった。

高血圧は心臓病や脳卒中、心臓発作などを引き起こす要因として知られているが、米国民の大人の3分の1が高血圧を患っているとされる。人種別にみると、アフリカ系の人の高血圧率は高く、男性で39%、女性では43%もの人が高血圧だという。

研究グループのリーダーは「もちろん、大人になってからの健康に影響を与えるような環境的要因は数多くある。しかし、今回の調査で家庭生活も病気に関係していることがわかった」と話す。実際、1人親世帯というのは収入面で厳しい場合が少なくなく、社会経済的な要因が高血圧を引き起こしている側面もあるといえそうだ。研究チームは「1人親というのを責めているわけではない。ただ、幼少期は体内保護システムを発達させる時期であることを認識する必要がある」としている。


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