携帯電話の健康被害については時折取り沙汰されるが、また新たな懸念材料が出てきたようなのでご紹介しよう。「携帯電話に使われているレアメタルが脳卒中にかかるリスクを2倍に引き上げる」とショッキングに警鐘を鳴らすのは、英エクセター大学Jessica Tyrrell博士だ。ただ、必ずしも携帯電話やパソコンの使用が脳卒中のリスクを高めるとまでは言えないので、貴重な携帯を今すぐ手放す必要はない。

問題は携帯電話などに使われているタングステンというレアメタルが、特に50歳以下の若い人々の健康を脅かしていることが最新の研究で明らかになったのだという。人々がタングステンなどのレアメタルにさらされる危険は現段階では低いものの、携帯電話やコンピューター、電球など毎日使用する製品に使われている。この10年でレアメタルを含む製品の数は2倍に増えており、今後も増加の一途をたどるとみられ、これだけ普及してくると専門家も将来的なリスクを憂慮せざるを得なくなったようだ。

製品の製造過程でレアメタルは少量だが外部に流出し、積もり積もって河川や農地を汚染したり、また空気中に漏れ出した少量の金属が、水や食物連鎖で私たちの体内に入り込む可能性もある。一部その数値が高い人がいて原因がはっきりしないだけに不気味である。同博士によると、レアメタルが本当に人体に害をもたらすのか、もたらすとしたらどのような結果を生むのか、またそれを避ける手段はあるのかなど、解明すべき謎は山積みだという。

同博士は18歳~74歳の米国人8,614人を対象に12年かけて調査を行った。その結果、体内のタングステンの濃度の高い人は脳卒中を起こす確率が2倍にのぼることがわかった。脳卒中は日本でも死亡原因の第3位であり、言わずと知れた危険な疾患。共同研究者のNicholas Osborne博士いわく、タングステンと脳卒中の関係は氷山の一角に過ぎず、数多の未知なる物質が環境に垂れ流され、私たちの体内には化学物質の混合物が堆積している可能性があるそうだ。

原因も、そしてリスクの有無さえわからないだけに、ヒステリックになる必要はないようだが、私たちが冷静を装っている間に、専門家の方々にはどんどん研究、調査を進めていただきたいものである。

ビッグパンダの日記