ロシア・シベリア地方のイルクーツク州ウスチイリムスクにこのほど、グルメな野生のクマが現れた。メーン料理をたいらげた後、デザートまでほしがったようすで、食後には優雅に休憩までとり、くつろいでいた。

 “グルメグマ”が出没したのは、ウスチイリムスク郊外の、あるカップルが所有する住宅。共同電などによると、住宅を改築中だった2人が、隣接するサウナ部屋で寝ていたところ、深夜、大きな物音が聞こえてきた。強盗かと思い、恐る恐る住宅をのぞくと、なんとクマがいた。

 カップルは、就寝前に料理して、冷ますためにベランダに置いていた煮込みスープ「ボルシチ」が、クマに食べられているのを発見。ロシア伝統の家庭料理を楽しんだクマは、今度はデザートを探していたのか、部屋中を引っかき回していた。

 カップルは急いで警察に通報。警察が到着するまでの数十分の間に、食事を終えたクマは庭に出てきて座り込み、しばし休憩。警察官が空に向かって威嚇発砲すると、せっかくのディナータイムを邪魔されたためか、不機嫌そうな態度で森の方へ走っていったという。

 幸いにもケガはなかったが、ボルシチを食い逃げされたばかりか、改築中だった住宅がメチャクチャに荒らされたカップルはぼう然。ベランダにはボルシチの赤いスープが飛び散っており、グルメグマはマナーは心得ていなかったもよう。地元では「クマはスプーンを探して家の中に入っていったのかも」などと報道されている。

 クマの種類、大きさなどは明らかになっていないが、ウスチイリムスクでは最近、クマの目撃情報が多数。警察は「食べ物を家の外で保管しないように」との通達を出していた。

 ◆ボルシチ ウクライナ(旧ソビエト)発祥のスープ料理。ボルシチはウクライナ語で「紅汁」の意味で、使用するテーブルビートから出る深紅のスープが特徴。テーブルビートのほかタマネギ、ニンジン、キャベツ、牛肉などの材料を炒めてから、じっくりと煮込む。食べる前にサワークリームをかけることが多い。タイのトムヤムクン、中国のフカヒレスープと並び世界3大スープと称されることもある。

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