ウェブサイトの広告やインターネットビデオ冒頭のCMを遮ることのできる装置「アドトラップ」がこのほど、米国で開発された。ユーザーが高い関心を寄せる一方、広告会社などからの反発も予想される。

アドトラップはカリフォルニア州パロアルトで開業したチャド・ラッセル氏(31)らが開発した。目標は、文字と画像のみで構成され、広告がなかったインターネット初期のウェブサイトを再現すること。「インターネットをもう一度あなたのものに」というのが同社のキャッチフレーズだ。

ネットの広告を非表示にするソフトウエアやブラウザーの機能拡張は無数にあり、多くは無料で入手できる。しかしこうしたソフトウェアは個々の端末やブラウザにインストールする必要があった。

これに対してアドトラップは、モデムとルーターの間に設置する端末で、これを通じてネットワークに接続するすべてのPCや携帯電話、タブレット端末などの広告を遮断でき、効率性が高いとラッセル氏は語る。大きさは無線LANルーターほどで、値段は139ドル(約1万3700円)。

同社は一般から小口の出資を募るクラウドソーシングを通じて20万ドル(約1970万円)を調達。ラッセル氏はこの関心の高さについて、「インターネットの現状についてのユーザーの思いを物語っていると思う」と話す。

この資金を使ってモバイル向けのウイルス対策ソフトウェアを手がける親会社のブルーポイント・セキュリティ社がアドトラップを製造し、8月から出荷を開始した。

CNN記者がラッセル氏の会社で試したところ、セットアップには数分しかかからず、ユーチューブなどの動画がCMなしですぐに再生できるのは非常に快適だった。

ただしCNNも含めた多くのサイトがコンテンツを無料で提供できるのは広告のおかげでもある。アドトラップのような装置が普及すれば、そのビジネスモデルが存続の危機にさらされる可能性もある。

同社は広告会社などとの争いが起きた場合に備え、シリコンバレーの法律事務所とも契約しているという。


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