太るのは腸内細菌が変化するため
禁煙すると太ることはよく知られている。胃腸の健康状態が改善されて、よく食べるようになるため、と考えられていたが、このほどスイスのチューリヒ大学病院は「太るのは腸内細菌が変化するため」とする研究論文を発表した。30日付けの「Laboratory Equipment」が報じた。
禁煙
肥満者と同じ腸内細菌が増加
同研究を発表したのは、チューリヒ大学病院のゲルハルト・ログラー教授ら。従来の研究では、喫煙者が禁煙した場合、最初の1年でこのうち80%が約7kgの体重増加を経験する、とされている。

食欲が増し、カロリー摂取量が増えるため、と考えられてきたが、ログラー教授らは新たな研究の結果「腸内細菌の構成が変化するため」と発表した。

実験では、喫煙者5人、非喫煙者5人、実験開始後1週間で禁煙した人10人から便のサンプルを集めて、その腸内細菌を比較した。

喫煙者と非喫煙者では、腸内細菌の構成にほとんど違いが見られなかったが、禁煙した人では、肥満症患者の腸内に多いプロテオバクテリアとバクテロイデスという細菌が増加する傾向が見られた。

また、飲食週間は変わっていない、と報告しているにもかかわらず、禁煙車の体重は、9週間の実験期間中に平均約2.2kgも増加した。

ネズミの実験と同じ結果に
この実験で増加が見られたプロテオバクテリアとバクテロイデスはエネルギー効率を高め、消化しにくい食物繊維なども分解してしまう働きを持つ。そのため、腸内細菌の構成で、これらの細菌が増加すると、食べたものがより脂肪に変換されやすくなる。

腸内細菌の構成が変わることで、肥満するプロセスはマウスの実験ではすでに他の研究チームが行った実験で証明されている。標準体重のマウスの腸内に、肥満したマウスの便を移植したところ体重が増加した、とする研究報告があるのだ。

ログラー教授らの研究結果は29日、米オンライン科学誌の「PLOS ONE」に掲載された。


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