厚生労働省の調査で判明
これまで主に西日本でしか見つかっていなかった重症熱性血小板減少症候群(SFTS)のウイルスが、新たに4県のマダニから検出された。死亡率が高いことから、厚生労働省では注意を呼びかけている。

計24県に危険なマダニ
SFTSは野山にいるマダニに噛まれることで感染する感染症。これまで中国、四国、九州など西日本の13県でしか、患者が見つかっていないが29日、厚生労働省は新たに福井、和歌山、静岡、山梨の4県で、マダニからウイルスが見つかったことを発表した。

また、マダニに噛まれる可能性が高いシカやイノシシ、猟犬の血液サンプルを調べたところ、福岡、香川、和歌山、三重、岐阜、長野、富山の7県で、ウイルス感染を示す抗体などが見つかっている。

これらの県では、これまで患者は出ておらず、発症報告のある県、マダニからウイルスが見つかった県、禽獣や猟犬から抗体が見つかった県を合わせると、計24県に同ウイルスを持つマダニがいる可能性が高いことになる。

予防は長袖、首にタオル
SFTSは2011年に中国の研究者が発表した新しい感染症。日本では今年1月に、山口県の女性が感染者として初めて確認されたが、実際には以前から国内にウイルスがいたものと見られる。

発症すると多くのケースで白血球や血小板が減少し、発熱、嘔吐、下痢などの症状が現れる。これまで国内で確認されている患者39人のうち、約4割に当たる16人が死亡しており、死亡率が非常に高い。

有効な治療薬やワクチンはなく、マダニに噛まれないことが、唯一の予防策となる。野山を歩く際には、長袖の衣類を着用して帽子をかぶり、首にはタオルを巻くなどの装備が有効だ。


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