地球上に存在する金は、はるか昔の宇宙で起きた天体の衝突から生まれた――。大量のガンマ線を放出する「ガンマ線バースト」と呼ばれる現象の発生源を科学者が探る中で、そんな研究結果がこのほど報告された。
ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのエド・バーガー氏らのチームは先月、ガンマ線バーストを観測。ガンマ線バーストが起きた位置は地球からの距離は39億光年と、これまでに観測された中で最も近い部類に入る。バーストの持続時間は0.2秒にも満たなかったが、その後しばらくの間、赤外線などを含む「残光」が観測された。
研究チームは残光を、一生を終えた星の残がいである「中性子星」同士の衝突で放出された物質が、放射性崩壊を起こす際に発した赤外線とみる。バーガー氏は、残光の観測が「ガンマ線バーストと中性子星の衝突を結びつける証拠になる」と主張する。
研究チームによると、今回衝突したとみられる2つの中性子星はともに米ボストン市ほどの大きさに太陽の約1.5倍の質量を持つという超高密度の天体で、互いの周りをまわりながら接近し、高速で衝突したという。
残光の観測が示唆するのはこれだけではない。研究チームによると、金を含む重い元素が大量に作り出された可能性をも示すという。
鉄や炭素などと異なり、金のような重い元素は恒星の内部で作ることはできない。大きな恒星の終末期に起きる「超新星爆発」で生まれたとの説もあるが、バーガー氏は「宇宙に存在する金の大部分は中性子星の衝突、合体から作り出された」との見方を示す。
バーガー氏の試算によれば、中性子星同士の衝突が1度起きると、月10個分もの質量の金がつくられる。これまでに発生した推測衝突数を踏まえると、「中性子星の衝突だけで宇宙全体の金が生み出せる計算だ」と同氏は主張する。
このようにしてできた金が宇宙空間にばらまかれ、太陽や地球を構成する物質のひとつになったとみられる。ただ近年の研究によると、地球誕生当時の金は中心核に沈んでしまい、表層部の鉱脈はそれから数億年後に降り注いだ隕石(いんせき)群によって運び込まれた金と考えられている。
研究成果は専門誌アストロフィジカル・ジャーナル・レターズで発表される。
だから、価値があるんですね



ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのエド・バーガー氏らのチームは先月、ガンマ線バーストを観測。ガンマ線バーストが起きた位置は地球からの距離は39億光年と、これまでに観測された中で最も近い部類に入る。バーストの持続時間は0.2秒にも満たなかったが、その後しばらくの間、赤外線などを含む「残光」が観測された。
研究チームは残光を、一生を終えた星の残がいである「中性子星」同士の衝突で放出された物質が、放射性崩壊を起こす際に発した赤外線とみる。バーガー氏は、残光の観測が「ガンマ線バーストと中性子星の衝突を結びつける証拠になる」と主張する。
研究チームによると、今回衝突したとみられる2つの中性子星はともに米ボストン市ほどの大きさに太陽の約1.5倍の質量を持つという超高密度の天体で、互いの周りをまわりながら接近し、高速で衝突したという。
残光の観測が示唆するのはこれだけではない。研究チームによると、金を含む重い元素が大量に作り出された可能性をも示すという。
鉄や炭素などと異なり、金のような重い元素は恒星の内部で作ることはできない。大きな恒星の終末期に起きる「超新星爆発」で生まれたとの説もあるが、バーガー氏は「宇宙に存在する金の大部分は中性子星の衝突、合体から作り出された」との見方を示す。
バーガー氏の試算によれば、中性子星同士の衝突が1度起きると、月10個分もの質量の金がつくられる。これまでに発生した推測衝突数を踏まえると、「中性子星の衝突だけで宇宙全体の金が生み出せる計算だ」と同氏は主張する。
このようにしてできた金が宇宙空間にばらまかれ、太陽や地球を構成する物質のひとつになったとみられる。ただ近年の研究によると、地球誕生当時の金は中心核に沈んでしまい、表層部の鉱脈はそれから数億年後に降り注いだ隕石(いんせき)群によって運び込まれた金と考えられている。
研究成果は専門誌アストロフィジカル・ジャーナル・レターズで発表される。
だから、価値があるんですね


