タイガース消滅？ 深刻な財政危機で破産法適用も

深刻化する人口減と財政難
人口減による財政難は、地方自治体にとって世界共通の悩みだ。米では自動車産業のメッカであるデトロイト市で、深刻な財政危機が判明。消滅するのでは、と心配されている。

自動車産業の中心地が破産も
デトロイト市には「ビッグ3」と呼ばれる自動車産業の雄、GM、Ford、Chryslerが本社を置く。プロ野球チームでは、デトロイト・タイガースの本拠地。米国製造業を象徴する都市として栄えてきたが、近年、財政が極端に悪化している。

同市の財政状況を緊急調査した財務官は14日、ミシガン州知事に対して「財政上深刻な問題がある」との報告をあげた。問題が解決しない場合、破産法が適用されることもあるという。

消防がビル火災を放置
財政悪化にともない、デトロイト市では学校、警察、消防などの公共サービスもとどこおりつつある。人命や緊急性がないビル火災では消防が出動を見送るなど、市民生活にも大きな影響が出ている。

こういったことから、市民の流出も加速。2000年～2010年までの10年間に25%の住人が市外に逃げ出した。住民税などの収入が減少することで、市の財政はますます悪化しており、歯止めがかからない状況にある。