もうけ優先でトラブル急増
商業主義に走る歯科医院が増える中、経営の柱となってきたインプラント治療を受ける患者が激減している。インプラントはあごの骨に人工の歯根を埋め込んで、歯を植え付ける治療。利益を上げやすいことから、技術的に未熟な歯科医師までが行うようになり、事故やトラブルが相次いでいる。

wiki より
手術で炎症、大出血も
インプラント治療は、あごの骨にチタン製の人工歯根を埋め込む治療法。入れ歯などに比べ、ずれることもなく自分の歯に近い感覚で食事などを楽しむことができる。

ただ、大がかりな手術を要することから、大出血や炎症などのリスクをともなう。手術を行う歯科医院が増える中、トラブルも急増。国民生活センターに寄せられるトラブル相談は、2012年11月18日時点で70件にのぼる。11年度11月15日時点の49件、10年度の48件に比べて、かなり多い。

自費治療は収益の柱
歯科医院は全国的に急増しており、大阪府下ではコンビニより多いことが確認されている。さらに、近年相次いだ保険診療点数の引き下げにより、歯科医師の懐はかなり苦しい。

以前は開業すれば儲かる職種だったが、歯科医療白書によれば、歯科医の5人に1人は年収300万円以下となっている。

そんな中、収益の柱となるのが、自由に価格設定できる「自由診療」だ。インプラントはこれにあたり、1本数十万円という価格を設定する歯科医院も少なくない。インプラント治療を受ける患者の減少は、そのまま歯科医院経営を直撃している。

商業主義で首を絞める歯科業界
メリットの大きな手術であり、トラブルや事故の危険性が小さいなら、受けたいと考える患者は多い。鍵となるのは歯科医師の技術だが、客観的に信頼できる情報がない。

「インプラント」という用語で検索をかけると、多くの歯科医院がヒットするが、中にはランキングサイトで上位に評価されていることをうたうなど、商業主義的な宣伝を並べる歯科医院も見られる。

オリコン上位は信頼できるか
病院や診療所を客観的に評価・ランキングしている、とされるオリコンランキングについても、疑問視する声は多い。

東京で病院を展開する医療法人社団レニア会は、オリコン社が平成15年に出版した書籍「患者が決めた!いい病院」の評価方法に異議をとなえた。

同法人がネット上に公開している申し入れ書、オリコン社側からの回答を見ると、サンプル数が極端に少なく、公開されていないことが問題となっている。

最低たった10件の評価をもとにランキングが決まってしまうため、レニア会では医療機関がお金を支払ってランキング上位に入れてもらうこともあるのでは、との疑念をていしているが、オリコン側はこれに答える様子がない。

信頼できる歯科医院を見つけられない中、トラブルを嫌う患者がインプラント治療を敬遠している現状に、打開策は見当たらない。


ビッグパンダの日記