ギャンブルの儲けには数倍の課税
国家とマフィアは非常によく似ている。習慣性のある有害物質(たばこ)などの販売許可と引き替えに金を取り、支配下地域で行われるギャンブルは一手に胴元を務める。背くと拳銃を持った怖い人が来る。日本の国税局はさらに悪質かもしれない。ギャンブルで儲けると、利益の数倍、課税するというのだ。
100万円で1.4億円以上の利益
競馬の存亡をかけた裁判が行われている。被告は大阪の男性会社員(39)。同氏は市販の競馬予想ソフトを改良したものを使って、インターネットで馬券を購入。2004年に100万円の資金で開始したこの投資は、順調に利益を上げ続けた。
07年~09年には約30億円の払戻金を受け、利益は約1億4000万円にものぼった。ところがこの利益に対して、大阪国税局は所得の申告がなかったなどとして、約5億7000万円の脱税を指摘。大阪地検に告発した。
この金額は男性がはずれ馬券購入に費やした資金約28億7000万円を「必要経費」と認めず、あたり馬券購入分だけを認めることで算出された。
株式投資は3年繰り越せるが
一時所得は所得税放題34条で定義されるもので、下記のように定義されている。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
同様のものには、宝くじの当選金、FXや株式投資の利益などが上げられる。宝くじの当選金は「当選金付証票法」により非課税。FXや株式の投資で赤字が出た際には、3年まで繰り越すことが可能だ。これに対して、馬券については、はずれ馬券は必要経費として認められない。
絶対勝てないあこぎなギャンブル
そもそも公営競馬は25%ものテラ銭をとられており、その時点で課税されている、ともいえる。趣味とする人にとって、少しでも勝率を高めるために、数頭の馬を軸に複数の組み合わせを購入するいわゆる「ボックス買い」は常識だ。
たとえ予想が当たっても、必ずはずれ馬券は手元に残る。このはずれ馬券を投資の必要経費としないことは、他の投資と比べて、大きな違和感がある。確実に償金を稼げば、税額が上回るのであれば、誰がそのようなものを楽しみと考えるだろう。
競馬好きとして知られた劇作家の寺山修司氏は「平均すれば負けているのでしょう?」と訊ねられて、「どうして平均する必要がある? あなたの人生は平均したら笑っていますか? 泣いていますか?」と切り返したといわれる。日本で競馬をする限り、どうやら平均せずとも、泣き続けなければならないようだ。
同氏はまた「人生こそが競馬の比喩なんだ」と語っている。だとすれば、勝つことが許されない日本の競馬は、官僚により必敗を運命づけられた日本人の人生にたとえられるのかもしれない。

国家とマフィアは非常によく似ている。習慣性のある有害物質(たばこ)などの販売許可と引き替えに金を取り、支配下地域で行われるギャンブルは一手に胴元を務める。背くと拳銃を持った怖い人が来る。日本の国税局はさらに悪質かもしれない。ギャンブルで儲けると、利益の数倍、課税するというのだ。
100万円で1.4億円以上の利益
競馬の存亡をかけた裁判が行われている。被告は大阪の男性会社員(39)。同氏は市販の競馬予想ソフトを改良したものを使って、インターネットで馬券を購入。2004年に100万円の資金で開始したこの投資は、順調に利益を上げ続けた。
07年~09年には約30億円の払戻金を受け、利益は約1億4000万円にものぼった。ところがこの利益に対して、大阪国税局は所得の申告がなかったなどとして、約5億7000万円の脱税を指摘。大阪地検に告発した。
この金額は男性がはずれ馬券購入に費やした資金約28億7000万円を「必要経費」と認めず、あたり馬券購入分だけを認めることで算出された。
株式投資は3年繰り越せるが
一時所得は所得税放題34条で定義されるもので、下記のように定義されている。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
同様のものには、宝くじの当選金、FXや株式投資の利益などが上げられる。宝くじの当選金は「当選金付証票法」により非課税。FXや株式の投資で赤字が出た際には、3年まで繰り越すことが可能だ。これに対して、馬券については、はずれ馬券は必要経費として認められない。
絶対勝てないあこぎなギャンブル
そもそも公営競馬は25%ものテラ銭をとられており、その時点で課税されている、ともいえる。趣味とする人にとって、少しでも勝率を高めるために、数頭の馬を軸に複数の組み合わせを購入するいわゆる「ボックス買い」は常識だ。
たとえ予想が当たっても、必ずはずれ馬券は手元に残る。このはずれ馬券を投資の必要経費としないことは、他の投資と比べて、大きな違和感がある。確実に償金を稼げば、税額が上回るのであれば、誰がそのようなものを楽しみと考えるだろう。
競馬好きとして知られた劇作家の寺山修司氏は「平均すれば負けているのでしょう?」と訊ねられて、「どうして平均する必要がある? あなたの人生は平均したら笑っていますか? 泣いていますか?」と切り返したといわれる。日本で競馬をする限り、どうやら平均せずとも、泣き続けなければならないようだ。
同氏はまた「人生こそが競馬の比喩なんだ」と語っている。だとすれば、勝つことが許されない日本の競馬は、官僚により必敗を運命づけられた日本人の人生にたとえられるのかもしれない。
