現役の慶応義塾大学の学生が、高利回りの投資を謳って、投資家たちから資金を集めて、海外に渡航している問題で、大学生は一度帰国し再び海外に逃亡した。進行している民事訴訟もすべて結審しているが、本人の行方が分からないために、その後の手続きも困難が予想される。果たして、このまま「逃げトク」を許してしまうのか。
■一度も出廷せず
「おとなしい子」。
それがこの大学生に、実家の近所に住む人が抱いていた第一印象だ。そこから、高校で米国留学し、有名私大系のNY校に入ったという。そして帰国し慶応大学に入学したそうだ。
今年5月にNHKの全国放送で報道されて一気に広まったが、それまでも六本木、西麻布界隈などでは少し知られた存在だったという。年利14.5%を保証した上で、年間数倍にもなると謳っていたという。よもや、こんな大それたことをする人になるとは思っていなかっただろう。それなりの投資経験もあり、一人で数千万円も投資する人はザラだったという。集めた資金は20億円とも言われる。
現在、被害者5人が東京地裁に提訴。すべての案件で結審し、近く判決を迎える。大学生は行方不明で、母親も「連絡が取れない。携帯電話も止められているのでおそらく海外だろう」と語るのみで、まったくわからない。当然、一度も出廷していない。
5月に日本テレビで「1億円あり払えるが、今は戻れない」と関係者からの伝聞が報道されたのを最後に動静は伝えられていなかった。
ただ、ここに来て大学生に、少し動きらしきものがあったようだ。
■騒動後に一度帰国していた
今年2月には女性の秘書を帯同しているとされ、最後の目撃情報はシンガポール。55階建て超高層リゾートカジノ、マリーナベイサンズに宿泊していたと言われる。
しかし、シンガポール渡航歴もあるビジネスマンは「最近は日本から逃げてきたグレーな詐欺っぽい人たちが増えているということも聞く。ただ、目撃情報とはいっても、マリーナベイサンズなどは日本人だらけで、とても特定できるとは言い難いようにも思える」という。
とりあえずの逃げやすさからシンガポールへ、と考えられるが、実は騒動が表ざたになってから一度帰国していたことがわかっている。関係者によると、騒動後に2度の(日本からの)出国記録が確認されており、言うならば一度は帰国していることになるからだ。ただし、現在はどこに飛び立ったのかわからない。もちろん、このまま二度としっぽを出さない可能性すらある。
また、国内での動きとしては、拠点の一つであった大学生のトレードシステムを紹介する都内のショールームも、家賃の未払いで賃借契約が解かれて現在は明け渡しがなされている。
■ノーリスクで年利14.5%
しかし、なぜこの程度の投資話にまんまと乗ってしまったのか? 大いに疑問が残る。マイバッハでいまどき送り迎えをしたり、高級ホテルのスイートルームなどで接待を行っていたという。これらは、稚拙な投資理論をだますためのものだろう。
ある投資家は「システムで相場の動きを監視して、損失が出る前に売り抜けるシステムを開発したそうだが、そんなリスクを取らないトレードで、なぜ、1年で何倍にもなるのか不思議でならない。もちろん、それは無理な話だが…」とあきれる。
しかも14.5%を保証している点はおかしい。名うてのファンドマネージャーでもこの高リターンを確実に約束することは不可能だ。そもそも、運用する気があったかどうかも怪しくなってくる。
現在、被害者は刑事事件も視野に入れているが、被害者代理人は「警視庁にも相談しています。ただ、(大学生が)海外にいるなど難しい面があります」としている。民事事件で、強制執行となっても全額取り戻すことができるかどうか。
現代に蘇った光クラブ事件。後悔しても、投資してしまった今からとなっては遅すぎる。

■一度も出廷せず
「おとなしい子」。
それがこの大学生に、実家の近所に住む人が抱いていた第一印象だ。そこから、高校で米国留学し、有名私大系のNY校に入ったという。そして帰国し慶応大学に入学したそうだ。
今年5月にNHKの全国放送で報道されて一気に広まったが、それまでも六本木、西麻布界隈などでは少し知られた存在だったという。年利14.5%を保証した上で、年間数倍にもなると謳っていたという。よもや、こんな大それたことをする人になるとは思っていなかっただろう。それなりの投資経験もあり、一人で数千万円も投資する人はザラだったという。集めた資金は20億円とも言われる。
現在、被害者5人が東京地裁に提訴。すべての案件で結審し、近く判決を迎える。大学生は行方不明で、母親も「連絡が取れない。携帯電話も止められているのでおそらく海外だろう」と語るのみで、まったくわからない。当然、一度も出廷していない。
5月に日本テレビで「1億円あり払えるが、今は戻れない」と関係者からの伝聞が報道されたのを最後に動静は伝えられていなかった。
ただ、ここに来て大学生に、少し動きらしきものがあったようだ。
■騒動後に一度帰国していた
今年2月には女性の秘書を帯同しているとされ、最後の目撃情報はシンガポール。55階建て超高層リゾートカジノ、マリーナベイサンズに宿泊していたと言われる。
しかし、シンガポール渡航歴もあるビジネスマンは「最近は日本から逃げてきたグレーな詐欺っぽい人たちが増えているということも聞く。ただ、目撃情報とはいっても、マリーナベイサンズなどは日本人だらけで、とても特定できるとは言い難いようにも思える」という。
とりあえずの逃げやすさからシンガポールへ、と考えられるが、実は騒動が表ざたになってから一度帰国していたことがわかっている。関係者によると、騒動後に2度の(日本からの)出国記録が確認されており、言うならば一度は帰国していることになるからだ。ただし、現在はどこに飛び立ったのかわからない。もちろん、このまま二度としっぽを出さない可能性すらある。
また、国内での動きとしては、拠点の一つであった大学生のトレードシステムを紹介する都内のショールームも、家賃の未払いで賃借契約が解かれて現在は明け渡しがなされている。
■ノーリスクで年利14.5%
しかし、なぜこの程度の投資話にまんまと乗ってしまったのか? 大いに疑問が残る。マイバッハでいまどき送り迎えをしたり、高級ホテルのスイートルームなどで接待を行っていたという。これらは、稚拙な投資理論をだますためのものだろう。
ある投資家は「システムで相場の動きを監視して、損失が出る前に売り抜けるシステムを開発したそうだが、そんなリスクを取らないトレードで、なぜ、1年で何倍にもなるのか不思議でならない。もちろん、それは無理な話だが…」とあきれる。
しかも14.5%を保証している点はおかしい。名うてのファンドマネージャーでもこの高リターンを確実に約束することは不可能だ。そもそも、運用する気があったかどうかも怪しくなってくる。
現在、被害者は刑事事件も視野に入れているが、被害者代理人は「警視庁にも相談しています。ただ、(大学生が)海外にいるなど難しい面があります」としている。民事事件で、強制執行となっても全額取り戻すことができるかどうか。
現代に蘇った光クラブ事件。後悔しても、投資してしまった今からとなっては遅すぎる。
