ネット上における違法ダウンロードに刑事罰を導入する著作権法改正案が先月20日国会にて可決され、今年10月1日より施行されることとなった。

同法案については、音楽業界からの要望を受けた自民・公明が6月15日に「刑事罰導入修正案」を議員立法により衆院委員会に提出し、民主党もこれに安易に賛成した結果、ロクに議論もされないまま、僅か5日で成立しているというのであるから、与党・野党議員共に、あまりに「国民無視」が過ぎる話である。

議員連中が「消費税増税」を巡る政局ばかりに気を奪われ、このような劣悪な人権無視の”国民監視法案”を「賛成221、反対12」という全会一致に近い形で成立させた事実は、自公・民主を問わず同罪であり、問題外であると断じてよいであろう。


「違法ダウンロード刑事罰化の何がいけないのか?」がわからないという方も多いことであろう。

マスゴミ報道では、同法案について「権利者(著作権者)の告訴がないと罪に問えない”親告罪”である」として、警察が無闇に権力行使できないというニュアンスの解説をおこなっているが果たして本当であろうか?

以下のガジェット通信記事にあるように、ある事件を起こした人物宅に踏み込んだ警察が同人物のパソコンを押収したら「私的違法ダウンロード刑罰化法案」に抵触するファイルが数多く出てくることはほぼ間違いないであろう。

そうしたら、そこで別件逮捕・立件が可能となるというのがこの法案のミソである。

即ち、この法案の真の目的は“別件逮捕”であり、「権利者(著作権者)の告訴がないと罪に問えない”親告罪”だから職権乱用はない」というのはウソということである。

同法案は、音楽・動画のみならず、今後、ゲーム・写真・文章等すべての著作物の違法ダウンロードに刑事罰が課せられるようになるものと推測されるが、そうなれば、ブログへの新聞記事のコピペもアウト、アイドル画像のダウンロード・壁紙使用といったことも刑事罰の対象になる可能性があり、ネットを利用する国民のほとんどが”潜在的な犯罪者”となってしまうと言えばもうお解かりであろう。

弊ブログに関して言えば、毎回、新聞記事を引用(転載)している小生も犯罪者にされる可能性があると共に、皆さんが何気にダウンロードしてきたであろう著名人の壁紙・画像等もアウトということである。
(現時点でも「転載」は。。。)

単純比較はできないが、「違法ダウンロード刑事罰化法案」は国家権力からみて”反乱分子”に当たる人物の「不当逮捕劇」を容易にしたという点で、ある意味では「消費税増税」よりも性質の悪いものと言ってよいであろう。


「この法案に反対票を投じ、同問題を真剣に考えている議員は誰か?」

あくまで想像であるが、以下の「ITmedia ニュース」を読めば、同法案に反対し、真剣に同問題について”国民目線”で考えているのが森ゆう子・川内博史・宮崎岳志・高井崇志や社民・福島瑞穂らであることが想像できるであろう。
(私見では川内博史はイマイチ信頼し切れない感が否めないが)

ただ、これらの議員ももはや法案が採択された今、今後どこまで本気で同問題解決に取り組むかは正直疑問であり、このまま何のアクションもないまま10/1の法施行日を待つことになるのが濃厚であろう。


兎にも角にも、ネットにアクセスしているだけで実質的に我々国民を「有罪」足らしめるこの人権無視の”国民監視法案”の施行される10/1以降は、国家権力・警察の挙動をよくよく注視していくことが肝要であろう。