「ひとつ訊いていいかな?」と、突然、ミハエルが言い出しました。

「何?」と僕。

「日本にはルイ・ヴィトンの安売り店があるのかい?」

「は? なんで? ないと思うけど。ヴィトンはブランド品なので値引きしないよ」

少し考え込んだ様子のミハエル・シューマッハ選手は、おもむろに新幹線の荷物棚を指さしてこう言いました。

「だって、この電車に乗っている人たちは、みんなルイ・ヴィトンを持っているじゃないか。ヨーロッパでこんな光景は見たことないから、きっと日本には安くルイ・ヴィトンが手に入る店があるんじゃないかと思ったんだ」

少し、日本人でいることが恥ずかしくなったのを覚えています。


ビッグパンダの日記