会社更生手続き中の旧武富士(現在は更生会社「TFK」)の管財人が4月、国を相手取って東京地裁に提訴したことが、大きな波紋を広げている。

訴えの内容は課税処分の取り消し(法人税の還付)を求めるもの。武富士は過去に利息制限法(15~20%)の上限を超えるグレーゾーン金利で貸し付けて多額の利益を計上したが、2006年の最高裁判決でグレーゾーン金利部分は無効と判断された。その後、利息の返還請求が相次ぎ、"経営破綻"に至った。

「逆に言えば、それまでグレーゾーン部分も含めて法人税を払っていたので、グレーゾーン部分が『違法』ということになれば、その部分に課される法人税は払いすぎたことになると判断。旧武富士側はその分を返せと、提訴に踏み切った」(全国紙経済部記者)

以前から過去10年分の払い戻しを求めていたが、前例のない還付要求だったため、「国税側は扱いに相当苦慮していた」(国税OB)。結局、国側に言い分が聞き入れられなかったことから今回の提訴に至ったという経緯がある。

請求した金額は約2300億円。還付された場合、旧武富士側はそのカネを弁済の原資にするという。

税還付訴訟自体は珍しくはないが、今回の訴訟が注目を集めているのにはこんな理由がある。

「武富士をめぐっては、同社の創業家が起こした贈与税課税処分取り消し訴訟で昨年2月に国側が負け、利子を含め約2000億円を返還した"苦い過去"がある。今回も負ければ武富士絡みで合わせて4000億円超と巨額になる。2連敗となれば国税の威信も地に堕ちる」(前出・国税OB)

それだけではない。仮に旧武富士側の主張が認められて勝訴することになれば、他の消費者金融業者もこぞって払いすぎた法人税の還付を求める動きが出てくる可能性が高い。「得られるカネを請求しないとなれば、逆に株主などから代表訴訟を起こされるリスクがある」(業界関係者)からだ。

「武富士1社だけで払いすぎた法人税が2000億円を超えるということは、業界全体では軽く見積もっても1兆円は突破する可能性が高い」(前出・経済部記者)

法人税収は年間8兆円ほど。旧武富士vs.国税の"訴訟第2ラウンド"は、国家財政の進路に埋め込まれた"時限爆弾"となり、その破壊力がけた外れに大きいことだけは間違いない。


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