ペットは大切な家族、ゴハンのときも寝るときだって離れたくない。だって大好きなんだもん! ペットを飼ったことがある方ならいつでも一緒にいたいと思うのは自然なことだ。

だが、過度な接触はときに命を危険にさらすこともある。長年、犬や猫と寝食を共にしていた少女が寄生虫に感染、足の骨を食われ自力で歩行ができなくなってしまったそうだ。

中国・湖北省出身の周さん(21才)は、14才の頃から原因不明の高熱が出ることがあった。熱が出るときは決まって右足が痛み赤いアザが出てくるという奇妙な症状。だが抗生物質を注射すると症状が緩和されることから、本人も家族もさほど気にしていなかった。

しかし、成長するにつれて足は普段でもはれ上がり、熱が出る頻度も上がっていったそうだ。いくつもの病院で見てもらい手術も受けたが彼女の症状は治まることはなかった。そしてついにベッドから起き上がれないほどになってしまった。

原因がわからないまま2011年8月、大学病院に転院。詳しい検査をした結果、彼女の足の骨が寄生虫に食われていたことが判明。すぐに寄生虫を駆除したが、彼女の骨はすでに回復が見込めなかったことから人工関節を入れることになった。

周さんに寄生していたのはエキノコックスという寄生虫だ。主に犬科の動物を媒介として人間やブタなどに寄生するものである。人間が感染した場合肝機能障害を起こすことが多いがまれに骨に転移することもあるそうだ。感染例は日本にもある。

周さんの母親によると、彼女は小さな頃から犬や猫が大好きで、よく一緒に寝たりもしていたそうだ。エキノコックスは感染してから自覚症状が出るまで10年以上かかることもある。子どもの頃、ペットや野生動物、またはそのフンなどから感染し、大人になって発症するケースが多い。周さんの感染源も幼いころに接していた動物ではないかと見られている。

医師は「ペットを媒介として感染する寄生中はエキノコックス以外にもトキソプラズマなども見られます。ペットを清潔に保つだけでなく、ペットには定期検査・予防を受けさせること、触ったあとは必ず手を洗うこと。特に小さなお子さんがペットを触ったあとそのままものを食べるなどすると感染する危険性は一気に高まります」と警告している。口移しでものを食べさせたり、長期的に一緒に寝るなど過度な接触を控えることも重要である。

ちなみに周さんは、手術中の出血がひどく大量輸血を行ったものの経過は順調。現在はリハビリに励んでいるそうだ。


ビッグパンダの日記