1、LSD:うつ病や群発性頭痛の治療に効果
古くからLSDは、アルコール、アヘン、ヘロインなどの依存症に効果があるといわれていた。現在でも、精神医療に効力を発揮する薬物として、多くの研究が報告されている。その一例が末期がん患者への投与である。患者たちのおよそ70%が、心配、落ち込み、恐れが軽減したと答えているそうだ。

また、LSDは慢性の痛みを防ぐ鎮痛剤にもなるといわれている。米ハーバード医学部の研究では、郡発性頭痛の患者に投与したところ約87%の患者に良い結果がみられたという。
 
2、マジックマッシュルーム:群発性頭痛、強迫性障害の治療に効果
LSDと同じく群発性頭痛に効果があるといわれている。幻覚が見えるほどではない極少量を服用すると、痛みがやわらぎ、頭痛の回数が減っていくという。米アリゾナ大学の研究では、強迫性障害を持つ患者にマジックマッシュルームを投与したところ、多くの患者が回復。中には1回の服用でその後6カ月も再発しなかった患者もいるそうだ。

現在のところマジックマッシュルームが治療に問題なく適応出来るという確証は得ていないそうだが、将来的には、かなり研究価値の高い薬物であるらしい。
 
3、エクスタシー:心労を軽減し、パーキンソン病、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に効果
通称エクスタシーこと「MDMA」は、不安障害の治療や心的外傷後ストレス障害に効果があるといわれている。MDMAを摂取すると脳内の「幸せホルモン」であるセロトニン、オキシトシンを多く放出する。すると、安らぎ、愛情、信頼などの感情が呼び起こされ、安心感を得ながら恐怖心と向き合えるのだという。

セロトニンを多量に放出する効果は、パーキンソン病の治療にも役立っている。たとえば、パーキンソン病によりほとんど体を動かすことのできなかった元スタントマンは、MDMAの一回服用で、すぐに宙返りや側転ができるようになったという驚きの発表がある。
 
4、コカインとコカの葉:局所麻酔、下剤としての使用や、乗り物酔いへの効果
その昔コカインは、頭痛からアルコール依存、そして花粉症にいたるまで様々な治療に使われていた。現在は安全な薬が処方されるようになったが、目、鼻、喉など粘膜の麻酔に効力があるとして、手術の際にコカの成分が使われることもあるという。

科学者達は、医療現場でのコカインの使用はリスクが高いと認めている一方、コカの葉に関してはコカインよりも安全であると考えている。コカイン濃度が薄いため、実際にアンデス山脈地方では古くから医療目的で使われている。アメリカ人の医者アンドリュー・ウェイル氏は、「コカの葉は乗り物酔い、喉頭炎、便秘、肥満に効果を発揮する可能性がある」と提言している。
 
5、ヘロイン:鎮痛効果
コカインと同じく、その昔ヘロインは、様々な治療に使われた万能薬であったという。しかし現在、ヘロインが危険な薬物であることは誰もが知っている事実である。その一方で、「激しい痛みや慢性的な痛み軽減するのには一番効果的で安全である」と言う研究者も存在するという。
 
6、ケタミン:うつ病治療に効果
麻酔薬として使われているケタミンは、うつ病の治療に効果があるという。米コネチカットにあるメンタル・ヘルスセンターの研究では、通常の治療ではまったく症状が改善しなかった、重度のうつ病患者の70%に良い結果がみられたという。
 
7、アンフェタミン:ナルコレプシー、ADHD、脳卒中の回復に効果
アンフェタミンは現在、医療機関でナルコレプシー(睡眠障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)などの多くの症状に使われている。米ニューヨーク州立大学の発表では、うつ病や肥満にも効果があるという。注目すべきは、脳卒中患者への効果だ。スウェーデンのカロリンスカ研究所は、「脳卒中によって衰弱してしまった患者にアンフェタミンを処方すると回復がとても早い」と発表している。
 

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