今や、中国人富豪は贅沢商品の消費者として、世界中の高級ブランドの新たなターゲットになっている。高級品市場の消費総額は世界の4分の1を占める。では、最高のぜいたく品とは何なのか?

 北京で不動産業に携わる李夫人は、自分の家の中には約12万元(144万円)するAV機器があるが、決して贅沢ではないという。というのも、同じように不動産業に従事する友人は世界で最も大きなジープを買ったそうだ。値段は100万元(約1200万円)。中でパーティーも開催できるという。また、別の競馬好きな友達は、自分で馬を6、7頭所有しているそうだ。

 さらに、また別の不動産業仲間は、5000万元(約6億円)で北京郊外に豪邸を買ったそうだ。自分が週末にくつろぐ部屋以外にも10数部屋あり、28人のお手伝いさんがいる。毎月、電気代だけで5万元(約60万円)を消費しているというのだ。

 ところが今、こうした非日常的な贅沢品とは違った、新しい贅沢品を追い求める動きが出てきているのだ。


毎日仕事に追われて気がつけば体はぼろぼろになっているという人は意外と多い。金銭面で満たされたからこそ、価値観は違う方向に向いてきた富豪も多い。

 ある社長は、知人から“プライベート・ドクター”を紹介されたそうだ。ドクターの指示に従って仕事量や接待を調整。すると徐々に身体も良くなり始めたのだという。


「定期的に医師に身体を見てもらい、食事内容や、運動方法など、様々なアドバイスを受けることにも慣れました。プライベート・ドクターは私にとって一番の贅沢品です」と話す。

 こうした考え方は、いまや世界中の富豪の間では当たり前のことかもしれない。例えば、欧米の富豪にとっては十分な睡眠が何よりの贅沢品。アマゾンドッットコム創業者のジェフ・ベゾス氏も1日少なくとも8時間は眠るという。彼らにとって本当の贅沢品とは“十分な時間と健康”なのだ。