中国で「富二代」といえば「苦労知らずの二代目」を指す。親のお金で遊んで暮らしているとマイナスイメージをもたれることが多い彼ら。その中の一人ともいえる富豪が、寧夏テレビ第一財経チャンネルの就職リアリティー番組(視聴者参加の双方向型バラエティー番組)「中国職場好榜様」に出演して話題になっている。彼はワインの営業マンに応募し、“富二代”から“責任ある2代目”に変わりたいのだという。

出演したのは北京出身の陳俊宇(ちん しゅんう)さん。中央民族大学音楽教育専科を卒業。大学生活では月2万元(約24万円)のスピードで消費を続け、4年間のうちに100万元以上(約1200万円)を使い切ってしまったという。現在は高級車や豪邸を所有し、働かなくても十分に生活できる。

 ところが今回、番組で行われたワイン販売の営業担当募集に応募した。番組の撮影現場までベンツでやってきた彼は、求職者というより、面接をする大企業の社長という風貌だ。

 番組では審査員から次々に質問が浴びせられた。「高級車や豪邸は自分の物か?」「既に大きな財産を持っているのに、小銭を稼いで満足するのか?」「苦労してもいいのか?」など。

 それに対してどう答えたのか。


こうした問いに対して彼は「高級車や豪邸は両親がくれたもので、本当の意味で自分のものではない。自分自身の手でお金を稼ぎ、責任ある2代目になりたい」と冷静に答えたのだった。

 実は陳さんはすでに2009年ごろから、両親からの自立を目指し、社会に出て仕事を始めていた。今回応募したのは、幼いころから親しんできたワインに関係する仕事について、さらに自立への階段を上りたいと考えたのだ。

 審査の途中、彼は「ワインの販売」という替え歌を披露し、会場を沸かせる場面もあった。結局、採用されなかったものの、視聴者の富二代に対する既成概念を変える結果となったのだろうか?

ネット上では、「陳さんを応援します!」という書き込みも見られたが、「彼は信じられない!」「営業のセンスがない」「所詮、富二代だ!」と批判するコメントの方が多かった。

 だが、実際のところ、知識や経験を積んで、真面目に両親の会社を継承したり、新しく事業を起こそうとしたりしている「富二代」もいる。中国各メディアは陳さんの番組出演を、「就職現場の新現象」などとして伝えていた。今後、「富二代」の行く末はどうなっていくのだろうか?



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