11月27日の大阪市長選と同日選になると見られている大阪府知事選挙。春の府議選、市議選に続き、「大阪秋の陣」と呼ばれるこの両選挙に向けて、市職員と関西電力の関係者がそわそわしている。府知事を辞任し、市長選に鞍替え出馬するとみられている橋下徹知事が、「敵は市役所と関電」と明言している。
橋下知事が掲げている大阪都構想には市改革が必須で、「橋下氏が市長になったら早期退職する」と宣言する50歳超の市職員が続出。一方の関電は、地域経済に絶大な力を持ち、既存勢力の象徴とされた。今夏の電力不足にからむ節電要請についても、「一方的で説明不足」と切り捨てている。大阪の運命を決める秋の陣まであと3カ月――。
橋下知事は8月上旬、「大阪府は改革をやり続け、今年度は1000億円近い貯金ができた。しっかりと次の知事に使い方を考えてもらいたい」と話した。知事選には「次の知事」を擁立し、自分は市長選に出馬することを宣言した発言ととらえられた。
もっとも、橋下氏が知事を辞任して市長選に打って出ると、知事候補が必要になるが、誰を立てるのか、まだ聞こえてこない。テレビキャスターの辛坊治郎氏らの名前が挙がっているが、辛坊氏に関しては、「キャスターとして全国区になることを夢見ており、知事選には出ないだろう」(テレビ局関係者)との声が強まっている。
一方、平松邦夫大阪市長は、まだ明言はしていないが、市長再選に向けての準備を進め、市民の気を引くための政策を展開。そのことについても、橋下知事が槍玉に挙げている。「市長が職員を引き連れてタウンミーティングをやっている。地元の要望を聞いて、補助金打つ。市役所は公職選挙法の対象になっていないが、おかしいやりかた」と指摘している。
「橋下知事は間違ってはいない。区役所職員を土日に出勤させて、市民の人気取りになるようなイベントを増やしている」と市職員は話す。だがそれでも「橋下知事が市長になるより、平松現市長のほうがまし」という。
橋下知事が党首を務める地域政党「大阪維新の会」が提唱している大阪都構想を進めるには、市役所改革は必須だ。橋下知事が市役所に乗り込めば、府でやったようなドラスティックな改革を進めるだろう。「退職金削減もやるだろうから、橋下知事が市長になったら、定年までは勤めたくない」(50代男性市職員)という声は多い。
既存勢力の代名詞とされた関西電力の関係者は困り顔だ。
大阪市は関電の大株主で、従来、両者は密接な関係を保ってきた。前回市長選では、前市長の関淳一氏を応援する関電関係者の姿が見られた。今回については「静観して動かない」(関電関係者)という。
「定期点検後の原発の再始動もままならない中、現職だろうと、新人だろうと、なにもしない。橋下知事にどんな揚げ足取りをされるかわからないから」(40代関電社員)
9月に入れば、いよいよ秋の陣に向けた動きが加速する。橋下知事から、より過激な発言も出てきそうだ。
橋下知事が掲げている大阪都構想には市改革が必須で、「橋下氏が市長になったら早期退職する」と宣言する50歳超の市職員が続出。一方の関電は、地域経済に絶大な力を持ち、既存勢力の象徴とされた。今夏の電力不足にからむ節電要請についても、「一方的で説明不足」と切り捨てている。大阪の運命を決める秋の陣まであと3カ月――。
橋下知事は8月上旬、「大阪府は改革をやり続け、今年度は1000億円近い貯金ができた。しっかりと次の知事に使い方を考えてもらいたい」と話した。知事選には「次の知事」を擁立し、自分は市長選に出馬することを宣言した発言ととらえられた。
もっとも、橋下氏が知事を辞任して市長選に打って出ると、知事候補が必要になるが、誰を立てるのか、まだ聞こえてこない。テレビキャスターの辛坊治郎氏らの名前が挙がっているが、辛坊氏に関しては、「キャスターとして全国区になることを夢見ており、知事選には出ないだろう」(テレビ局関係者)との声が強まっている。
一方、平松邦夫大阪市長は、まだ明言はしていないが、市長再選に向けての準備を進め、市民の気を引くための政策を展開。そのことについても、橋下知事が槍玉に挙げている。「市長が職員を引き連れてタウンミーティングをやっている。地元の要望を聞いて、補助金打つ。市役所は公職選挙法の対象になっていないが、おかしいやりかた」と指摘している。
「橋下知事は間違ってはいない。区役所職員を土日に出勤させて、市民の人気取りになるようなイベントを増やしている」と市職員は話す。だがそれでも「橋下知事が市長になるより、平松現市長のほうがまし」という。
橋下知事が党首を務める地域政党「大阪維新の会」が提唱している大阪都構想を進めるには、市役所改革は必須だ。橋下知事が市役所に乗り込めば、府でやったようなドラスティックな改革を進めるだろう。「退職金削減もやるだろうから、橋下知事が市長になったら、定年までは勤めたくない」(50代男性市職員)という声は多い。
既存勢力の代名詞とされた関西電力の関係者は困り顔だ。
大阪市は関電の大株主で、従来、両者は密接な関係を保ってきた。前回市長選では、前市長の関淳一氏を応援する関電関係者の姿が見られた。今回については「静観して動かない」(関電関係者)という。
「定期点検後の原発の再始動もままならない中、現職だろうと、新人だろうと、なにもしない。橋下知事にどんな揚げ足取りをされるかわからないから」(40代関電社員)
9月に入れば、いよいよ秋の陣に向けた動きが加速する。橋下知事から、より過激な発言も出てきそうだ。
