コペンハーゲンのバスの運転手が、とても心温まる誕生日のお祝いを受けた。何も知らないのは運転手ただ1人。普段通りにバスを運行していると乗り込んで来た客らも含めて、アッと言う間の大合唱が巻き起こった。

誕生日をお祝いされたのは、運転手のムフタールさん(41歳)。サプライズの一部始終はバスの監視カメラ他、数台のカメラでこっそり撮影されていた。お祝いの様子は動画共有サイト『Youtube』に公開されている。実はこのサプライズ、彼が勤めるバス会社『Bedre Bustur』が計画したもの。この会社は、乗客に心地よくバスを利用してもらうために、従業員の就労環境の向上に努めているようだ。このサプライズも、ムフタールさんの普段の仕事を讃えるために行われた。

何も知らずに普段通りバスを走らせるムフタールさん。満員のバスの車内に、1人のタキシード姿の男がトランペットを携えて乗車して来た。何食わぬ顔をしている彼だったが、この男がトランペットを吹き始めた。その内に客の1人が歌を歌い出し、その輪は車内一杯に拡がっていった。

さらにサプライズはそれだけで終わらない。走行車線の前方に、黒い服を来たデモ集団が現れ、バスの進行を遮ったのだ。クラクションを鳴らし、道をあけるように促すと彼らもまたバースデーソングを歌い始めた。

最初は嬉しそうに笑っていたムフタールさんだったが、大勢の人の祝福に感極まって涙を浮かべた。そして、仲間たちと抱擁を交わす。この動画を見ただけで、ムフタールさんが普段、一生懸命乗客や仲間たちのために働いていることが伝わってくる。