川勝知事は27日、静岡空港にある大手飲料メーカー「伊藤園」(東京)の広告看板を撤去するよう、
空港ターミナルビルを運営する「富士山静岡空港株式会社」(牧之原市)に要請した。18、19日に
県などが共催した「食育推進全国大会」の景品として、同社が賞味期限切れの紙パック入りジュースを
提供した問題を受けた対応。知事が27日の定例記者会見で明らかにした。

 対象の看板は縦1メートル、横2・8メートルで、ターミナルビル1階の国内線到着通路にある。
茶畑やペットボトルなどがデザインされ、2009年6月の開港当初から掲げられている。

 空港会社は県からの出資を受けない民間企業。記者会見で、企業間の契約に県が口を挟むことの
是非を問われると、川勝知事は「県が27億円余りを貸している会社で、要請する資格はある」と話した。

 看板撤去の理由について、川勝知事は「空港は県の玄関口として最も公的な空間で、県のPRの場所に
なっている」とし、「廃棄処分にあたるものを景品にし、静岡県の顔を汚した」「お茶のペットボトルの中に、
安全とは言えないものが入っているという疑惑を招いた」などと伊藤園を痛烈に批判。さらに、
「伊藤園の茶には県産が3割ほどしか入っておらず、県を代表するものとは言えない。空港の看板は
本県を代表するかのごとく受け止められかねない」と続けた。イベントは国や県などの共催だが、
「伊藤園の責任が一番重い」と言い切った。

 空港会社の吉岡徹郎社長は取材に「契約があるうえ、他の広告主に与える影響も懸念される。知事
から要請があったからといってすぐには撤去できない。(融資は)契約に基づいて有利子で借りており、
今回の件とは関係ない」と困惑した様子。伊藤園広報部は「空港会社から話を聞いておらずコメント
できない。事実関係を確認したい」としている。


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