がん、心臓病とならび、日本の三大死因のひとつとされる脳卒中。私たちが普段なにげなくしている行動の影響で、脳卒中やクモ膜下出血の発症リスクが高まっていることが判明し、世界に衝撃を与えている。

クモ膜下出血は非常に危険なもので、発症した人の10~15パーセントの人が病院に着く前に亡くなり、50パーセントの人が一カ月以内に亡くなるとされている。

そんな恐ろしい病気の発症リスクが普段の行動で高まっていると発表したのは、オランダ・ユトレヒトの大学医療センター。彼らはクモ膜下出血が発症した250人を対象に、コーヒーを飲んでいたかなど出血が起こる前の行動について質問した。

また、その行動はいつもしていることなのか、それともその時に限って行ったことなのかも質問した上で、各行動によりどれだけクモ膜下出血の発症リスクが高まるのかを算出した。次がその結果である。(カッコ)内の数字は発症リスク上昇率を示す。
 
コーヒーを飲む  10.5%
激しい運動  8%
鼻をかむ  5.5%
エッチ  4.5%
りきんで排便する  3.6%
コーラを飲む  3.5%
驚く  2.5%
怒る  1.5%
 
この調査結果を受けて研究チームリーダーのモニーク・フラク氏は「これら全ての行為は急激な血圧上昇をもたらします。恐らくそれが動脈瘤(どうみゃくりゅう)破裂を引き起こしているのでしょう」と述べた。

しかし、これらの行動がもたらす発症リスク上昇効果は1時間ほどしか続かず、上記の行動に気をつけるべき人たちも一般の人全員ではなく、まだ治療が済んでいない脳動脈瘤を持っている人だけだという。また、フラク氏は次のようにも話している。

「コーヒーやコーラを控えたり、排便の際に力むのを避けたりすることは簡単にでき、これにより一部のクモ膜下出血は防げるでしょう。しかし、運動をやめるようアドバイスすることはありません。なぜなら、運動には心血管疾患のリスクを下がる役割もあるからです」




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