私の入院している病室は4人部屋。

整形外科の患者だけではなく、

目眩が酷くて救急で運ばれた方。

検査入院の方。

眼科の手術をされた方。

さまざまな理由で入院されている方がいらっしゃいます。

1番長く私が過ごした、カーテン越しのお隣さんは

骨折されて、重い持病もかかえられた

高齢のおばあさま。

初めの2週間お隣さんでした。

カーテンが開く事がほとんどなく、カーテン越しにも

一言も話しをする事はありませんでした。

寝たきりで、看護師さんに手伝ってもらわないと起き上がれません。

しかも、起き上がる時には激痛が走り、呻き声がでます。

体も常にしんどそう。

苦しい状態が続いているようです。


でも、お若い頃は居酒屋をされていたそう。

ザ大阪のおばちゃん!!

と言う感じの楽しいおしゃべりが聞こえてきます。

声にも張りがあり、寝たきりとは思えません。

例えば


看護師 おうどん、どれくらい食べました?

おばあさま 大分食べたで!

看護師 どれくらい?

おばあさま せやかて、クルクルフォークで巻い てるから、トゥルリーンって落ちる

やん。口にはいっぱい運んだで!


何て会話に思わず隣で笑ってしまって和みました。

結局口に運べたのは5.6口らしい!


旦那様は元トラックの運転手で、今は家で1人。

毎朝、おばあさまが電話で

今日は燃えるゴミの日やで!起きて出しや!

とか

大好きな野球の話しをされています。


そして何より大好きな1人息子の存在が大きいようです

母の日に持って来てくれて、もう枯れてしまった

カーネーションの鉢を大切にされています。

息子さんの話しになれば、声が一層元気になります。

結婚されていて、お嫁さんには

息子と一卵性親子って言われるんやで!

と、とても嬉しそうに話されます。


いよいよ、なんとか退院の目処がついたようで

退院に向けて準備をされている時の状態は

1人では起きられないし

つかまりながら2.3歩歩くのがやっと

病院ではオムツでしたが家では夜間以外はトイレに行くと言う

オムツは自分で変えられない

寝ていて寒くても布団を自分で掛けられない

旦那様は腰痛であまり動けない

旦那様にオムツを変えてもらうのは嫌


いくら、介護保険を利用して看護師さんやヘルパーさんの手を借りたとしても大丈夫とは思えない状態

看護師さん達も心配していて、近くに住んでいる息子さんに退院の日だけでも手伝ってもらえないかおばあさまにたずねると


息子には絶対に迷惑をかけたくない。

絶対に病院から電話しないで欲しい。

自分達の事は夫婦で完結させたい!


これを魂の叫びのような声できっぱりとおっしゃいました。

隣で聞いていて、とても苦しい気持ちになりました。

でも、今はこれがおばあさまの生き方なのだと感じています。

大切に思っているからこそ、自分の為に何かを犠牲にして欲しくないと。


おばあさま、退院を目前にして持病が悪化してしまい

退院の話しはなくなってしまいました。


悪化してからは、毎日採血があります。

もう、血管も細くなり、とてもとても痛いようで

採血の時間になると私も緊張します。

一回で取れますように!

の願い虚しく、手の甲から、足から、最後には足の付け根からの採血。

こんなに痛そうな声は聞いた事がない!

看護師さん達も

痛いね。ごめんね。ごめんね。

と言いながら。

こんなに辛い採血だけど、おばあさまは

看護師さん達への思いやりや感謝の気持ちを常に持ち続けています。

血管細いし潰れてるからなあ。

この間もココからはあかんかったからなあ。

もう、とるとこないやろ。

などと何度も失敗しても、責める言葉は出ません。

そして、ようやく採血に成功すると

大変やったなあ

ありがとう

と必ずおっしゃいます。


さらに持病が悪化したので、ナースステーションの近くに引っ越されてしまいました。


とても我慢強く、ユーモアもあり、

思いやりや感謝の気持ちを常に持っている姿に

感動しました。

2週間隣で過ごさせて貰えて良かったです。

最後にお手紙渡したかったけど、渡せませんでした。



内容は思いつくままで、まとまりが無く、

手紙も横向きですみません。

読んで下さってありがとうございます。