以前完結した
ショートストーリー『後輩』

のエピローグをツラツラ書いてみます。



。。。。。。





『Real Love』





あの日

生まれて始めて

僕の記念日での

ひととき



君との別れ際

封印した想い



この先

邪(じゃ)が来ようとも

鬼(き)が押し寄せても

微動だにしないと

心に誓った



二人のタイミング

そうそうは合うことはない



でも

天から舞い降りる

微かな

チャンス

実際

あることに痛感した



君に送った再会音信

「出張遠回りして君に逢いに行くけど大丈夫?」

待てども返信がない

?マークが並び

次回にしようと

あきらめかけた



ただ

君の身の回りに

?マークがかすめる



微かなタイミング

思いなおして

強行して再会




ふたを開けてみると

「何度も何度も送り返したのにエラーメッセージが…」

僕のメール設定のミスマッチが原因

言い訳がましく

「あの時携帯番号教えてくれないからやろ」



翌朝旅立つ時

Cメールで

「おはよう またね」

今度はしっかり返信が来る

「おはようございます またね」

ここぞと茶化してメール

「気をつけてね マジで大好きだよ」



案の定

返ってこない返信に

笑いがこみ上げる



もともと

Uターン日程

サプライズ再会を果たす



ひと顔みるなり

憮然と

公然と

「なんでユーモアで返してけへんねん」

クレームの嵐を投げかける



今度は君が驚きと苦笑い



その後は

偶然の先輩後輩の間柄

元の木阿弥のように時を過ごす



タイムリミットがせまる

「先輩! メール設定直した?」

「あぁ!」



君をあとにする

宿泊先への最終電車で

君にメールする

件名:返信いらないよ

美恵ちゃん 

世界の中で

君を愛おしく想ってる

陶器小学校の卒業生がいることだけは

君の人生に記してもらえたらって…



件名:Re返信いらないよ

「ありがとうございます 気をつけてお帰りください」

返してこなくていいのに

返信が返ってくる



天から

舞い降りるチャンス

過ごせるときは少ない



感無量の滴が

瞳から零れる滴

舞い上がる




数少ない

時に

感謝の念が

天上に

吹き上がる







END