第一話【偶然の産物】
第二話【再会がもたらすもの】 作/諒 Produced by 江彰 透
第三話【約束】
第四話【意固地】 作/諒 Produced by 江彰 透
第五話 【心の扉】
第六話 【本当の心】 作/諒
去年の十二月は女将さんの忘年会など、故郷大阪に帰ったものの今年の新年は仕事の関係で東京で迎えた。
後輩からの初メールのあと、新年の元旦に挨拶メールした。
「新年おめでとう!」
「地元に帰ってきてるの?」
「ううん 東京だよ」
「そっか!」
そのあとは日常ではメールすることもなく。
今年の二月の父の七回忌に帰阪するとき、そして十月の出張での帰阪と僕からの音信はもっぱら帰る予定メール。
後輩からは店の花見の開催、そして忘年会案内。ただどちらも都合がつかず断り返事。
花見のときは、持病の悪化から緊急入院でそれどころではなかった。
忘年会は仕事の過密でこれまたそれどころではなかった。
どちらも、一身上の都合は明かさずに。
「ごめんなさい」
返信していた。
今年の年の瀬、急遽名古屋に29日、大阪に30日と出張予定が入り、女将さんのところに挨拶できればとミエちゃんにメールする。
「忘年会はごめんね、29日名古屋経由で30日から大阪で新年2日は東京に帰るけど、あんたはいつまで?」
「忘年会ママさびしがってたよ! 店は29日で、私は28日だよ んー 日が合わないじゃないですか? なんとか来てください!」
「うーん 後ろ向きに努力してみます!」
ややあきらめにもにた生返事をしていた。
そのあとなんとか都合をつけようと奮闘して、28日の仕事を切り上げて東京から大阪入りして、翌日名古屋とスケジュールを遠回りにした。
その事をいち早く彼女に伝えるも淡々としていた。
「ほんま タンパクやなあいつは」
彼女のジャイさ加減に笑いをふきだしていた。
当日28日は遠回りのスケジュールをなんとか間に合わせ新幹線に飛び乗った。
ただ、おみやげだけは買いそびれて大阪に向った。
そうは言っても、自身の体調不良など一身上があるとはいえ、もう少し帰阪できなかっただろうかと感じて、詫びのつもりで、大阪で遅ればせながらのクリスマスプレゼントを女将さんに初枝ちゃんにあいつにマフラーを買い求めてお店にむかった。
久しぶりの暖簾をくぐると。
「もう たっしゃん 久しぶりやないの!」
相変わらずのコテコテ大阪弁と、人情溢れる女将さんの笑顔に迎えられながら一番奥の席へと案内される。
席に着くと、カウンターいっぱいのお盆の用意。
「女将さん なにこれ?」
「今日はイケメン揃い15人の忘年会やねん」
「あと三十分ほどしかないけど たっしゃん ガソリンいれるで」
「ほんま 忘年会こんと」
やばいと思いながら、すぐさまプレゼンを渡して矛先を沈静に。
「女将さん 色は三つあるけど 女将さんは純粋やから白で 初枝ちゃんは明るくて新鮮やから紫 ほんで、ミエちゃんは腹黒いからベージュ」
本当はみんなで三色を取り合いさそうと思っていたけど、三人のカラーを仕切っていた。その仕切りに女将さんも思わずふきだしていた。そして追い討ちに。
「女将さん ほんまこいつ たまにメールするけど 返信は一言やで」
「この娘 ほんま タンパクやろ」
ここぞとばかりに、二人で嫌味をかぶせていた。ただ彼女の意にも介せずが、和やかな雰囲気をかもし出していた。
その後常連さんの忘年会も入り、久しぶりも露と消えて時間が過ぎていった。
ただ今宵は明日名古屋予定で、実家に帰ることなく新大阪に戻らないといけないので終電車をきにしながらだった。
そのことは女将さんもミエちゃんも気に止めてくれていた。
そんな慌しいなかミエちゃんが。
「元旦はどうしてんの?」
「うーん たぶん寝正月やで あぁ ところで元旦、俺誕生日やで」
「え~ そうなんや そやけど 元旦生まれって 変わりもんおおいやろ!」
「ほっとけ あほ!」
あいつのツッコミにはつい反応してしまう。そして勢いで。
「ミエちゃん せっかくやから初詣いけへんか?」
「え~ 初詣は二日にお姉ちゃんといくもん」
「そやったら ご飯でもどうや」
「うーん あぁー 家の近くにお好み焼き屋、最近できてんけど 元旦やってるかどうか…」
「どこでも ええで!」
女将さんも二人の会話に入って、横のお店がお好み焼きやで、聞きに言ってくれるもまだ元旦は営業してなくて、その後は尻切れとんぼになって、時間も押し迫り。
「たっしゃん もう最終やで」
女将さんの号令で店を後にした。
翌日大阪から名古屋に向う途中にミエちゃんから。
「ご馳走までした ちゃんとホテルに帰れましたか? マフラーさっそく使ってます ありがとう」
「うんうん こちらこそ 良いお年を」
いつもならこれで終わってるあっさりしたミエちゃんのメールが。
「本当に ご飯いきます?」
「うん お願いします」
その後は待てど暮らせど返信は、大晦日になっても返ってこなかった。
第八話
諒さんでつづきます
第二話【再会がもたらすもの】 作/諒 Produced by 江彰 透
第三話【約束】
第四話【意固地】 作/諒 Produced by 江彰 透
第五話 【心の扉】
第六話 【本当の心】 作/諒
去年の十二月は女将さんの忘年会など、故郷大阪に帰ったものの今年の新年は仕事の関係で東京で迎えた。
後輩からの初メールのあと、新年の元旦に挨拶メールした。
「新年おめでとう!」
「地元に帰ってきてるの?」
「ううん 東京だよ」
「そっか!」
そのあとは日常ではメールすることもなく。
今年の二月の父の七回忌に帰阪するとき、そして十月の出張での帰阪と僕からの音信はもっぱら帰る予定メール。
後輩からは店の花見の開催、そして忘年会案内。ただどちらも都合がつかず断り返事。
花見のときは、持病の悪化から緊急入院でそれどころではなかった。
忘年会は仕事の過密でこれまたそれどころではなかった。
どちらも、一身上の都合は明かさずに。
「ごめんなさい」
返信していた。
今年の年の瀬、急遽名古屋に29日、大阪に30日と出張予定が入り、女将さんのところに挨拶できればとミエちゃんにメールする。
「忘年会はごめんね、29日名古屋経由で30日から大阪で新年2日は東京に帰るけど、あんたはいつまで?」
「忘年会ママさびしがってたよ! 店は29日で、私は28日だよ んー 日が合わないじゃないですか? なんとか来てください!」
「うーん 後ろ向きに努力してみます!」
ややあきらめにもにた生返事をしていた。
そのあとなんとか都合をつけようと奮闘して、28日の仕事を切り上げて東京から大阪入りして、翌日名古屋とスケジュールを遠回りにした。
その事をいち早く彼女に伝えるも淡々としていた。
「ほんま タンパクやなあいつは」
彼女のジャイさ加減に笑いをふきだしていた。
当日28日は遠回りのスケジュールをなんとか間に合わせ新幹線に飛び乗った。
ただ、おみやげだけは買いそびれて大阪に向った。
そうは言っても、自身の体調不良など一身上があるとはいえ、もう少し帰阪できなかっただろうかと感じて、詫びのつもりで、大阪で遅ればせながらのクリスマスプレゼントを女将さんに初枝ちゃんにあいつにマフラーを買い求めてお店にむかった。
久しぶりの暖簾をくぐると。
「もう たっしゃん 久しぶりやないの!」
相変わらずのコテコテ大阪弁と、人情溢れる女将さんの笑顔に迎えられながら一番奥の席へと案内される。
席に着くと、カウンターいっぱいのお盆の用意。
「女将さん なにこれ?」
「今日はイケメン揃い15人の忘年会やねん」
「あと三十分ほどしかないけど たっしゃん ガソリンいれるで」
「ほんま 忘年会こんと」
やばいと思いながら、すぐさまプレゼンを渡して矛先を沈静に。
「女将さん 色は三つあるけど 女将さんは純粋やから白で 初枝ちゃんは明るくて新鮮やから紫 ほんで、ミエちゃんは腹黒いからベージュ」
本当はみんなで三色を取り合いさそうと思っていたけど、三人のカラーを仕切っていた。その仕切りに女将さんも思わずふきだしていた。そして追い討ちに。
「女将さん ほんまこいつ たまにメールするけど 返信は一言やで」
「この娘 ほんま タンパクやろ」
ここぞとばかりに、二人で嫌味をかぶせていた。ただ彼女の意にも介せずが、和やかな雰囲気をかもし出していた。
その後常連さんの忘年会も入り、久しぶりも露と消えて時間が過ぎていった。
ただ今宵は明日名古屋予定で、実家に帰ることなく新大阪に戻らないといけないので終電車をきにしながらだった。
そのことは女将さんもミエちゃんも気に止めてくれていた。
そんな慌しいなかミエちゃんが。
「元旦はどうしてんの?」
「うーん たぶん寝正月やで あぁ ところで元旦、俺誕生日やで」
「え~ そうなんや そやけど 元旦生まれって 変わりもんおおいやろ!」
「ほっとけ あほ!」
あいつのツッコミにはつい反応してしまう。そして勢いで。
「ミエちゃん せっかくやから初詣いけへんか?」
「え~ 初詣は二日にお姉ちゃんといくもん」
「そやったら ご飯でもどうや」
「うーん あぁー 家の近くにお好み焼き屋、最近できてんけど 元旦やってるかどうか…」
「どこでも ええで!」
女将さんも二人の会話に入って、横のお店がお好み焼きやで、聞きに言ってくれるもまだ元旦は営業してなくて、その後は尻切れとんぼになって、時間も押し迫り。
「たっしゃん もう最終やで」
女将さんの号令で店を後にした。
翌日大阪から名古屋に向う途中にミエちゃんから。
「ご馳走までした ちゃんとホテルに帰れましたか? マフラーさっそく使ってます ありがとう」
「うんうん こちらこそ 良いお年を」
いつもならこれで終わってるあっさりしたミエちゃんのメールが。
「本当に ご飯いきます?」
「うん お願いします」
その後は待てど暮らせど返信は、大晦日になっても返ってこなかった。
第八話
諒さんでつづきます